Jリーグ 湘南ベルマーレ

湘南ベルマーレ、昨季の悪癖またも露呈でJ2降格危機に。敗北のC大阪戦を検証

鈴木雄斗(左)鈴木淳之介(中)平岡大陽(右)写真:Getty Images

2024明治安田J1リーグ第31節の計10試合が、9月21日と22日に各地で行われた。湘南ベルマーレは22日、本拠地レモンガススタジアム平塚にてセレッソ大阪と対戦。最終スコア1-2で敗れている。

今節終了時点で、J2リーグ降格圏の18位ジュビロ磐田と勝ち点32で並んでいる17位湘南。これに加え、現時点で磐田は湘南よりも消化試合数がひとつ少ないため、後者としては危機的状況だ(磐田30試合、湘南31試合消化)。

湘南が今節逆転負けを喫した原因は何か。ここでは両チーム合わせて3ゴールが生まれたC大阪戦の前半を振り返るとともに、湘南の敗因や今後に向けたポジティブな要素に言及する。


湘南ベルマーレvsセレッソ大阪、先発メンバー

キックオフ直後は湘南が優勢

この試合における両チームの基本布陣は、湘南が[3-1-4-2]でC大阪が[4-2-3-1]。C大阪は守備時にレオ・セアラと北野颯太の両FWが横並びとなり、[4-4-2]へ隊形変化。キックオフ直後からフィールドプレイヤーのほぼ全員が自陣にこもり、湘南のパスワークを封じにかかった。

前半1分の湘南の攻撃配置(略図)

対する湘南は、前半1分にMF鈴木淳之介(3バックの一角)がボールを運ぶと、左ウイングバックを務めるDF畑大雅がC大阪の右サイドハーフとサイドバック(MFルーカス・フェルナンデスとDF奥田勇斗)の間に立ちアウェイチームの守備をかく乱。L・フェルナンデスと奥田が畑に気を取られた隙を突き、湘南MF平岡大陽(インサイドハーフ)がこの2選手間で鈴木淳之介からの縦パスを受けると、この直後に湘南はコーナーキックを得ている。ホームチームのキックオフ直後の攻撃配置は良好だった。


鈴木雄斗 写真:Getty Images

C大阪のハイプレスも回避

湘南のサイド攻撃を浴び続けたC大阪は、前半5分に北野が放ったロングシュートを機に最前線からの守備を立て直す。この直後に湘南が3センターバックを起点にパスを繋ぐと、北野、レオ・セアラ、MF為田大貴(左サイドハーフ)の3人がここに立ちはだかる。湘南最終ラインとの3対3の数的同数を作ると、味方DF髙橋直也のパスをタッチライン際で受けた湘南MF鈴木雄斗(右ウイングバック)には、C大阪のDF舩木翔(左サイドバック)がプレスをかけた。

この場面では鈴木雄斗が相手サイドハーフやサイドバックのプレスを浴びやすい立ち位置をとっていたが、ツータッチでC大阪の最終ライン背後へロングボールを送ったため大事には至らず。C大阪のハイプレスに対する、湘南の選手たちの状況判断も試合序盤は的確だった。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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