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日本からも選出!21世紀の女子サッカー選手トップ25ランキング

アイタナ・ボンマティ(左)アレックス・モーガン(右)写真:Getty Images

2024年7月23日、アメリカ発の世界的なスポーツ専門チャンネル『ESPN』が21世紀の女子サッカー選手トップ25ランキングを発表した。

このランキングは個々の選手による功績のほか、所属クラブや各国代表としての活躍、そしてサッカー界に与えた影響など総合データの集計結果とのこと。引退した選手も含まれていることから、ここでは各選手を代表国別で紹介しよう。


アイタナ・ボンマティ 写真:Getty Images

1位:マルタ・ビエイラ・ダ・シルバ(ブラジル)

2006年~2010年および2018年とFIFA世界年間最優秀選手賞を6度受賞するなど数々の個人賞を獲得しているマルタ・ビエイラ・ダ・シルバ。母国ブラジルでは「サッカーの王様」と呼ばれるペレとの対比で「サッカーの女王」「スカートを穿いたペレ」 と呼ばれている。ブラジル歴代最多得点者、FIFAワールドカップ(W杯)歴代最多得点王、2007年女子W杯ゴールデンボール受賞およびゴールデンブーツ受賞。

2位:アイタナ・ボンマティ(スペイン)

アイタナ・ボンマティは2022/23シーズン、女子サッカー界において他の追随を許さない活躍をみせた。所属クラブのバルセロナではUEFAチャンピオンズリーグを、スペイン代表ではW杯を制し、両方の決勝でMVPに選ばれた万能型MF。2023年W杯優勝、W杯ゴールデンボール、バロンドール受賞。

3位:アレクシア・プテジャス(スペイン)

アレクシア・プテジャスのキャリアはスペイン女子サッカーを一変させた。バルセロナ・フェメニ(スペイン1部)が4年間でUEFAチャンピオンズリーグを3回制覇し、スペイン女子代表が世界チャンピオンになる一翼を担ったプテジャス。ピッチの外では労働条件の改善を求め、スペインサッカー連盟との闘いを指揮した。バルセロナの象徴である彼女は「ラ・レイナ」の愛称で親しまれている。2023年W杯優勝、バロンドール受賞2回、FIFA最優秀女子選手賞受賞2回。

4位:ミア・ハム(アメリカ)

アメリカサッカーの殿堂入りを果たしているミア・ハム。女子サッカー界に現れた最初の世界的スーパースターといわれている。アメリカ女子代表チーム歴代2位の国際試合通算158ゴールの記録を持つ。アメリカ代表として1991年と1999年にW杯優勝、オリンピック金メダル2回(1996年、2004年)。

アレクサンドラ・ポップ 写真:Getty Images

5位:アレクサンドラ・ポップ(ドイツ)

アレクサンドラ・ポップに関するほとんど全てのインタビューで、そのリーダーシップが常に称賛されている。ドイツ代表の元監督であるマルティナ・フォス・テクレンブルクはポップを「偉大な指導者であり、最高の選手の一人」と呼んでいる。ドイツ年間最優秀サッカー選手賞3回受賞。

6位:キム・リトル(スコットランド)

2006年にキャリアをスタートさせて以来、元スコットランド代表のキム・リトルは常にピッチ上で優れたプレーを見せてきた。その経験とリーダーシップはチームの成功に欠かせない存在として称賛されている。スコットランド出身でありながら、2012年のロンドン五輪ではイギリス代表としてのプレー経験も持っている。

7位:ビルギット・プリンツ(ドイツ)

女子サッカー界の世界最高フィニッシャーの一人でもあるビルギット・プリンツ。ボックス内に飛び込むタイミングやポジショニングなど、彼女のサッカーIQは他の追随を許さなかった。W杯優勝2回(2003年、 2007年)、UEFA欧州選手権優勝5回(1995年、1997年、2001年、2005年、2009年)、2003年W杯ゴールデンボール受賞。

8位:アーダ・ヘーゲルベルグ(ノルウェー)

2018年に初代女子バロンドールを受賞したアーダ・ヘーゲルベルグ。「自分の限界より先に進みたい。それがアスリートとして私がしたいこと」と語るほどストイックな性格の持ち主で、UEFA女子チャンピオンズリーグの最多得点記録保持者でもある。

9位:ペルニレ・ハルダー(デンマーク)

欧州でも最高レベルの女子サッカー選手の一人で、欧州最優秀選手賞を2度受賞しているペルニレ・ハルダー。2013年以降、3カ国の4つの異なるクラブで毎シーズンリーグタイトルを獲得している。ハルダーは自身がプレーするクラブを新たな高みへと昇華させる本質的な能力を持っていると称賛されている。

フィフィアネ・ミデマー 写真:Getty Images

10位:フィフィアネ・ミデマー(オランダ)

アーセナル・ウィメン(イングランド1部)で100ゴールの記録を打ち立てたフィフィアネ・ミデマー。2017年にUEFA女子欧州選手権で優勝。オランダ女子代表の歴代得点王。

11位:澤穂希(日本)

アジア人史上初のバロンドール受賞者である澤穂希。日本女子サッカー界のレジェンドであり、未だ彼女を超える選手は出ていない。2011年W杯優勝(大会最優秀選手、得点王)、バロンドール受賞、2014年AFCアジアカップ優勝。

12位:キャロライン・グラハム・ハンセン(ノルウェー)

ザ・ベスト・FIFAフットボールアウォーズにノミネートされる実力の持ち主で、ノルウェー代表ではU-15時代から各世代代表に必ず召集されているキャロライン・グラハム・ハンセン。2019年から所属するバルセロナ・フェメニでも高い得点能力を発揮し、現役最高選手としての地位を確固たるものにしている。

13位:クリスティン・シンクレア(カナダ)

カナダ女子代表のキャプテンを務めた選手で、カナダ勲章のオフィサー位受賞者でもあるクリスティン・シンクレア。非常に高い得点能力を持っており、彼女が持つ「国際大会185ゴール」の記録は男女あわせて生涯得点記録の世界記録である。2012年ロンドン五輪得点王。

サム・カー 写真:Getty Images

14位:サム・カー(オーストラリア)

サム・カーの得点感覚は研ぎ澄まされており、オーストラリア、アメリカ、ヨーロッパの3つの異なる大陸とリーグでゴールデンブーツ賞を獲得した唯一の女子サッカー選手。オーストラリア代表歴代得点王でもある。

15位:ミーガン・ラピノー(アメリカ)

2019年のW杯では最優秀選手と得点王をW受賞したミーガン・ラピノー。世界のサッカー界で最も有名な女子選手の一人。W杯優勝2回(2015年、 2019年)、オリンピック金メダル(2012年)、バロンドール受賞。

16位:ケリー・スミス(イングランド)

ウィメンズ・スーパーリーグ(イングランド1部)の殿堂入りを果たしているケリー・スミス。スピード、ボールコントロール、思考の速さで有名な彼女は、アーセナル女子の初期の成功に欠かせない存在であった。

17位:ワンディ・ルナール(フランス)

フランス語で「ルナール」がキツネを意味することから“フランスのキツネ”と呼ばれているワンディ・ルナール。フランス1部リーグのオリンピック・リヨン・フェミナンとフランス女子代表の頼れるセンターバックとして13年間もの間、両チームに欠かせない存在であり続けている。

18位:ジェニファー・マロジャン(ドイツ)

14歳7か月にしてブンデスリーガ(ドイツ1部)デビューを果たすなど、将来を有望視されてきたジェニファー・マロジャン。U-17の世代から頭角を現し、各世代のW杯や2008年のUEFA欧州選手権で得点王を獲得してきた。2016年オリンピック金メダル、2013年UEFA欧州選手権優勝。

アメリカ女子代表 FWアレックス・モーガン 写真:Getty Images

19位:アレックス・モーガン(アメリカ)

2019年から2023年までアメリカ女子代表監督を務めたヴラトコ・アンドノフスキは、アレックス・モーガンについて「アレックスはビッグプレーヤー。ビッグプレーヤーとは大舞台に立つために生まれた者だ。彼女は勝者なんだ」と語っている。2015年と2019年のW杯優勝(2019年はシルバーブーツ賞受賞)、2012年オリンピック金メダル。

20位:クリスティン・リリー(アメリカ)

2015年にアメリカサッカーの殿堂入りを果たしているクリスティン・リリー。アメリカ女子代表の最も偉大な選手の一人である。彼女が積み重ねた代表戦での出場数「354」は、男女サッカーを合わせて世界一の記録である。

惜しくもベスト20入りしなかった選手

21位:ヘーゲ・リサ(ノルウェー)
22位:アマンディーヌ・アンリ(フランス)
23位:ホープ・ソロ(アメリカ)
24位:アビー・ワンバック(アメリカ)
25位:ジュリー・ファウディー(アメリカ)


女子サッカーは21世紀に飛躍的な成長を遂げたといっても過言ではないだろう。各リーグや国際大会での観客動員数はうなぎ上り。各国代表チームの実力差も縮まってきており、美しくも強いスター選手たちが世界中に現れ、計り知れない可能性が感じられる。

    名前:Mount

    趣味:お酒、電子音楽、サッカー観賞
    好きなチーム:日本代表、ドイツ代表
    欧州某国在住、ライター、編集者

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