アジア ベトナム代表

韓国や日本のクラブが熱視線。ベトナム最高のMFの海外移籍はいつ

グエン・ホアン・ドゥック 写真:Getty Images

 ベトナム最高のミッドフィルダーとの呼び声も高い、同国1部ベトテルFC所属グエン・ホアン・ドゥック(25歳)に、アジアの各クラブが熱視線を注いでいる。これまでに獲得に関心を示したクラブは少なくとも7クラブあるとされ、海外移籍が実現する日をファンは心待ちにしている。

 ホアン・ドゥックは、ベトナムでは規格外の184cmの長身を持つ大型ボランチ。一対一の場面でめっぽう強く、当たり負けもしないため、ベトナム代表フィリップ・トルシエ監督は、本職のボランチではなく、同選手をセンターフォワードでたびたび起用している。

 ベトナムのスター選手獲得に特に熱心なのが、韓国のクラブだ。大田ハナシチズンと全北現代モータースが獲得に動いたとされており、このうち大田は、2年以上も前から同選手の動向を追っている。この他にも、大邱FCや浦項スティーラースなどが同選手の獲得を検討しており、交渉の機会を模索すべく、ベトテルFCと同選手の契約状況を気にかけている。

 韓国のクラブ以外では、過去にタイのパトゥム・ユナイテッド、オマーンのアル・シーブ・クラブ、日本の川崎フロンターレなどが移籍先として噂された。

 10月の代表ウィークで、ベトナム代表は中国代表、ウズベキスタン代表、韓国代表と親善試合を実施。結果はベトナムの3連敗だったが、そんな中でもホアン・ドゥックは、攻守に輝きを放ち、その評価を高めた。

 所属するベトテルFCでは昨季5ゴール5アシストを記録して、Vリーグ3位、ベトナムカップ2位に大きく貢献。チームが優勝していないにもかかわらず、同選手はリーグの年間MVPを受賞しており、いかに個として際立っていたかが分かる。スペースへの動き出しや、プレス回避の技術には、近年磨きがかかっており、その成長は留まることを知らない。

 ホアン・ドゥック自身も海外移籍には前向きで、以前のインタビューでは「グエン・バン・トアン(元韓国2部ソウルイーランド)や、グエン・コン・フオン(横浜FC)、グエン・クアン・ハイ(元フランス2部ポーFC)のように、より大きな舞台で自分の力を試したいと思っている」と話していた。

 これまでに海外挑戦したベトナム人選手で成功例はないが、トルシエ監督は常々、選手個人の成長にとっても代表チームの発展にとっても選手が海外でプレーすることは重要と語っており、前進するための挑戦を怖がってはいけないとアドバイスしている。