FC東京元監督のアルベル・プッチ・オルトネダ氏が、古巣バルセロナの選手育成に言及。FC東京所属MF松木玖生や、レアル・ソシエダ所属の日本代表MF久保建英を例に、将来有望な若手選手の可能性に賭ける重要性を説いている。
アルベル氏は2003年からおよそ10年間にわたり、バルセロナのスカウトや下部組織のコーチなどを歴任。バルセロナ退団後はアフリカやアメリカでの幹部、コーチ業をへて、2020年に来日。アルビレックス新潟の監督を2年間勤め、2022シーズンからFC東京を指揮。今季途中で成績不振によりFC東京の監督を退任している。
日本での監督業を終えてスペインに帰国したアルベル氏は、財政難がささやかれるバルセロナの現状に気にかけている模様。バルセロナ下部組織出身であるFWアンス・ファティに退団の可能性が報じられる中、スペイン紙『スポルト』のインタビューで選手育成へのコスト削減について以下のように疑問を呈している。
「ラ・マシア(バルセロナの育成組織)は、企業にとっての研究開発のようなものだ。研究開発のコストを削減するのではなく、逆に投資する必要がある。ラ・マシアの経済的努力はクラブ全体の予算のごく一部にしかすぎない。その一方で、長期的には最もスポーツ面で経済的利益をもたらすんだ」
その上で同氏は日本での経験を踏まえて、若手選手に対する向き合い方について以下のように持論を展開している。
「選手のことを信じず、放出を決断する人は常に何パーセントかいる。その決断は受け入れなければならない。だが選手たちに愛情をもって話しかけ、彼らに説明したことを実行すれば、選手たちはあなたについてくる。最終的にはそうしたやり方が、彼らのキャリアにとって良いことだと分かるだろう」
「日本(FC東京)にいた時、私は松木玖生に賭けていた。彼の準備が整っているのを見たし、彼の成長には目を見張るものがあったからだ。しかし、すべてのケースが同じではない。久保建英の例は重要だと思う。彼はレンタル移籍最後の年に、以前よりも良いパフォーマンスを見せた」
「選手の成長を待つしかないんだ。我々に許されないのは、ラ・マシアを経た22,23歳の選手たちが、自分たちの持っている大きな可能性を引き出せないことなんだ」
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