Jリーグ ヴィッセル神戸

イニエスタ限界説も…神戸のACL敗退を西紙酷評「サポーターから疑念が…」

アンドレス・イニエスタ 写真:Getty Images

 ヴィッセル神戸はJ1残留争いを強いられる中、大幅な先発メンバーの入れ替えによりAFCチャンピオンズリーグ(ACL)と天皇杯で敗退。クラブ幹部や吉田孝行監督らが批判を浴びる中、スペイン紙『Minuto en Cancha』がヴィッセル神戸の現状を伝えるとともに元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(38)の限界説を唱えている。

 ヴィッセル神戸は今季序盤からリーグ戦で黒星が先行すると、2度監督交代を実施。今年7月から吉田孝行監督のもとでJ1残留争いを最優先する方針を貫いているが、残り6試合の時点で入れ替え戦圏内の16位に低迷。J2自動降格圏内の17位アビスパ福岡と勝ち点「28」で並んでいる。

 また先月にはACL1回戦・横浜F・マリノスでの勝利後に準々決勝・全北現代戦で先発メンバーを7名入れ替えると、全北現代相手に1-3で敗北。今月7日の天皇杯準々決勝・鹿島アントラーズ戦でも4日前のJ1リーグ第28節・京都サンガ戦からスタメンを大幅に入れ替えたこともあり、0-1で敗れていた。

 クラブは天皇杯敗退をうけて、10日に「ヴィッセルファミリーのみなさまへ」と題した声明を発表。「先の天皇杯敗戦を受け、残念ながらタイトル獲得の可能性を残す大会はなくなりました。試合後、スタンドに座り込んでいるみなさまの姿、足早にスタジアムを後にされる姿を見て、ファン、サポーターのみなさまに対し申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 「シーズン開幕前に思い描いた形とならず、この状態でみなさまに『一致団結して応援してください』とはなかなか言いにくい状況であることは承知しております。しかし、本日からのホーム3連戦、J1残留に向けて、1つも落とせない試合となります」

 「みなさまの応援が特に劣勢の状況、試合終盤の厳しい状況で大いなる力を選手に与えてくれます。選手スタッフ一同ここからの試合に必死に向かっていきますので、どうか今一度、みなさまのお力をお借りできないでしょうか」とサポーターに呼びかけたが、SNSでACLと天皇杯での敗退やクラブの方針に対する批判が噴出していた。

 そんな中、『Minuto en Cancha』は「困難を極めているヴィッセル神戸の現状」と見出しをうち、「アンドレス・イニエスタの所属するヴィッセル神戸は、最高の時を迎えているとは言えない。最近、アジア最高峰の大会であるAFCチャンピオンズリーグの準々決勝で敗退してしまったからである。この敗退により、日本のメディアやファンの間で多くの疑念を生まれている」とリポート。

 くわえて「日本のサポーターやメディアは、イニエスタのようなキャリアの終わりに近い経験豊富な選手よりも、いつでも起用可能な若手選手を好み始めている」と言及。コンディション不良によりACLグループステージ・決勝トーナメントで一度も出場しなかったイニエスタに対して、厳しい視線を送っている。

 なおイニエスタは昨年5月11日、ヴィッセル神戸との契約を2023年まで延長。ただヴィッセル神戸がJ1残留争いに巻き込まれる中、スペイン紙『エル・ナシオナル』はバルセロナが下部組織のコーチングスタッフというポストを用意した上でオファーを提示する可能性があると先月に報じていた。

 ただ選手本人はAFP通信のインタビューで「バルセロナは僕の故郷のようなものだから、戻りたいね。でも、この先どうなるかは分からないよ。ただサッカー選手としてバルセロナに戻ることはないだろう。あり得ないね」とコメント。選手としてバルセロナに復帰する可能性を否定している。