セルティックに所属する日本代表FW古橋亨梧(27)は昨年8月、ライバルクラブのサポーターから人種差別の被害に遭っていた。その人種差別問題に関する裁判は今月中に実施予定だったが、思わぬ形で延期となったようだ。17日、英紙『デイリーレコード』が伝えている。
同選手は昨年7月にヴィッセル神戸からセルティックへ完全移籍。かつて横浜F・マリノスを率いていたアンジェ・ポステコグルー監督のもと攻撃陣の主力に定着すると、今シーズン前半戦における怒涛のゴールラッシュでセルティックサポーターから絶大な支持を得ている。
そんな古橋亨梧に対しては、セルティックと敵対関係にあるレンジャーズのサポーターが昨年8月22日のスコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド1部)第3節・ロス・カウンティ戦後、バスの車内で同選手に対する人種差別のチャントを歌っていたほか、アジア人を差別するジェスチャーをしており、SNS上でその時の動画が拡散。事態を重く見た両クラブは人種差別反対の声明を発表したほか、レンジャーズは当該サポーター4名に対して無期限の入場禁止処分を科している。
この当該サポーター4名は昨年9月に人種差別による罪で告発されているが、4名はいずれも無罪を主張。イギリス国内の複数メディアは今月中にもハミルトン保安裁判所で裁判が行われると伝えていた。
『デイリーレコード』の報道によると、裁判は今月17日に実施予定だったもののソーシャルディスタンスを確保できないとして延期されたとのこと。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、スコットランドの裁判では各法廷に入れる人数に制限が設けられているほか、一部の席では人と人との間に1mの距離を確保することが義務付けられている。
しかし、ハミルトン保安裁判所では被告4名の間で距離をとることが難しい状況にあったため、公判直前で被告側に対して裁判の延期を通知。ソーシャルディスタンスに関する問題を解決した上で、今年7月に改めて裁判が行われるようだ。
なお、古橋亨梧に人種差別攻撃を行った被告4名のうち1名は昨年7月にコカインを所持していた疑いで告発されている。今回の人種差別にはアンジェ・ポステコグルー監督もクラブ公式サイトを通じて憤りをあらわにしていただけに、裁判延期の知らせに複雑な心境を抱いているサポーターは多いことだろう。
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