
ベルギー1部シント=トロイデンVV(STVV)には現在、日本代表DF谷口彰悟ら日本人選手が多く在籍。立石敬之CEO(最高経営責任者)が将来的な森保一監督の招聘に興味を示す一方、クラブは今夏に向けて大規模な選手整理に踏み切る模様。東京ヴェルディ、ガンバ大阪在籍歴のあるMF山本理仁をはじめ6選手の退団が既定路線となっている。
ベルギーメディア『voetbal』が報じたところによれば、元アルビレックス新潟所属MF伊藤涼太郎、MF山本理仁、アンデルレヒトから期限付き移籍中の日本代表FW後藤啓介、GK小久保玲央ブライアンの日本人選手4名を含む6選手が、2026年夏をもってSTVVを去る見込みだ。
4名が同時離脱。これはもはや「放出」ではなく、クラブの根幹を担う日本人ブロックの崩壊に近い。
立石CEOは先日、英メディア『The Athletic』の取材に対し、「夏には3〜4名の主力選手を売ることになると見込んでいる」と明言。さらに「山本は鈴木彩艶と同じく記録的な金額で去ることになるかもしれない」とも語った。日本代表GK鈴木彩艶(パルマ)の売却額は1000万ユーロ(約17億円)。STVVにとって、日本代表MFをそれに匹敵する数字で手放すことが、今オフ最大のビジネスミッションとなる。
山本の移籍先候補として名前が挙がっているのは、オリンピック・リヨン(フランス)と日本代表FW塩貝健人が在籍するボルフスブルク(ドイツ)。いずれも欧州のトップカテゴリーに近い環境であり、山本にとってキャリアアップの好機であることは間違いない。むしろ問題は、STVVがそこに見合う「値付け」を実現できるかどうかだ。
一方、6名の中には、現地メディア『TVLスポーツカフェ』に対して含みを持たせたコメントを残した選手もいる。「STVVではすぐに居心地の良さを感じましたし、クラブでもとても快適に過ごしています。でも、この世界では何が起こるかわかりません」穏やかな言葉の裏に、去就の流動性が透けて見える発言だが、発言の主は明らかになっていない。
後藤については、アンデルレヒト復帰の可能性にくわえて、欧州5大リーグへステップアップ移籍する可能性も取りざたされている。伊藤に関しては、STVVとの契約が2026年6月に満了するが、現時点で契約延長の公式発表はない。
今夏のSTVVは、収入面では過去最大規模の移籍金収入を狙いながら、同時に主力の大量離脱という構造的なリスクを抱え込む。選手の次は欧州で通用する指導者を育てることをひとつの夢に掲げるSTVVだが、複数選手を放出する中でいかに戦力を維持するかが喫緊の課題だ。
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