
明治安田J1百年構想リーグは第9節までの日程を消化し、地域リーグも折り返し地点を迎えている。EASTでは、昨季のJ1王者・鹿島アントラーズが堂々の首位を走る。PK戦でこそ2敗を喫しているものの、90分間での黒星はいまだにゼロ。王者たる所以を見せつける前半戦を過ごしている。
一方のWESTは混戦模様だ。首位を走るヴィッセル神戸は、1試合消化が多いとはいえ2位に勝ち点5差をつけ、安定した強さを披露。しかしその下には、ガンバ大阪、名古屋グランパス、清水エスパルスといずれも今季新指揮官を迎えたチームが並び、近年のJ1を牽引してきた神戸の隙をうかがっている。さらに5位以下にも、昨季終盤まで優勝争いを演じた京都サンガをはじめ、力のあるクラブが僅差で続く展開となっている。
そんな順位変動の激しいWESTにおいて、唯一勝ち点一桁台で苦しんでいるのが、今季より塚原真也監督率いるアビスパ福岡だ。直近の第9節サンフレッチェ広島戦でようやく今季初の“90分白星”を手にしたが、第2節からの6連敗が響き、ここまでの勝ち点は8。他クラブにやや後れを取っている。
緊急補強によってチームは息を吹き返しつつあるが、苦しい台所事情とここまでの戦績を思えば、過去に在籍し、今なお他クラブで活躍中の選手たちに想いを馳せるファンやサポーターも多くいることだろう。ここでは、福岡の現役OBの中から、今こそチームが頼りたいと思える選手たちを3名紹介していく。

中村航輔(セレッソ大阪)
今冬の福岡の移籍を見ていく上で、最も影響の大きかったポジションはGKではないだろうか。今季も主に守護神として起用されているGK小畑裕馬は、昨季も20試合に出場しており、その実力は申し分ない。また、新戦力であるGK藤田和輝やGKオビ・パウエル・オビンナも、ともに世代別代表の経験を持つ実力者であり、チーム内のポジション争いはハイレベルなことがうかがえる。
しかし、近年の福岡の守備に安定感をもたらしていたGK村上昌謙、GK永石拓海という2人の経験豊富なGKを失った影響は計り知れない。GKというポジションの特性上、ピッチに立てるのは1名のみだが、「最後の砦」としての安心感が失われたことは大きい。守備力は昨季より低下したという見方もできるだろう。
そうした中、かつて福岡に在籍していた選手たちに目を向けると、今季セレッソ大阪で6年ぶりにJリーグ復帰を果たしたGK中村航輔の存在が思い出される。福岡での在籍は、2015年の期限付き移籍期間のみにとどまるが、20試合に出場し、当時J2だったチームをJ1昇格に導いた立役者の一人だ。
今季の中村は、開幕戦こそスタメンの座を逃したが、第2節以降は先発出場が続いている。PK戦でのシュートストップなど、新天地で早くも見せ場を作っており、約1年間の無所属期間を感じさせないパフォーマンスを披露し続けている。
福岡に所属する中堅GKたちによるハイレベルな競争は、チーム全体の成長につながる楽しみな要素だ。それでもなお、守備に確かな軸をもたらす中村のような存在もまた、今の福岡が求めてやまないピースではないだろうか。
コメントランキング