
一部を除き第8節までの日程を終えた明治安田J1百年構想リーグ。東西10クラブずつに分かれて戦う地域リーグは、開幕から各地で激戦が続いている。
EASTでは、昨季のJ1王者・鹿島アントラーズが現在首位。開幕戦こそPK戦の末FC東京に敗れたものの、その後は7連勝と安定した戦いを続けている。その鹿島を開幕節で破ったFC東京が2位につけ、町田ゼルビア、東京ヴェルディと続く。
一方で、予想に反して苦戦するクラブも出ている。昨季最終盤まで鹿島と優勝を争った柏レイソルだ。開幕戦で川崎フロンターレと壮絶な打ち合いの末敗れると、そこから3連敗。直近はPK戦勝利を含む2連勝と持ち直しつつあるが巻き返しには至らず、8位と苦しい序盤戦となっている。
ここでは、そんな熱戦が続くEASTの10クラブについて、今冬チームに加わった新戦力の活躍を検証。補強の成功度をA~Cの3段階で評価していく。

鹿島アントラーズ:評価C
王者・鹿島アントラーズは今季、大卒ルーキー2名とユースからのトップ昇格3名を加えるにとどまり、補強に関しては極めて小さな動きとなった。優勝の効果もあってか、選手流出もほとんどなかったことから、現状のチームでどれだけ戦術の積み上げができるかが見どころと言っても過言ではないだろう。
少数の新加入選手の中で、安定して出場機会を得ているのは、明治大学から加入したMF林晴己のみ。ルーキーながら優勝メンバーに割って入っているだけでも十分評価に値する。しかし、新戦力全体として目立ったインパクトは乏しく、チームは順調に勝ち点を積み重ねているものの、補強の成果という観点での評価はCとした。

水戸ホーリーホック:評価C
苦節26年、悲願のJ1昇格を果たした水戸ホーリーホック。ようやくたどり着いた国内トップカテゴリーで、現在9位と“J1の洗礼”を受ける立ち上がりとなっている。
水戸は今冬、DF鷹啄トラビス(セレッソ大阪)やMF齋藤俊輔(KVCウェステルロー)といった昨季の主力が複数チームを離れ、戦力ダウンも懸念された。しかし、MF鳥海芳樹を筆頭に、これまでJ2で実績を積んできた新加入選手が存在感を示し、苦しみつつも勝ち点を積み上げている。
とはいえ、現在の順位に加え、守備陣に多くの新戦力を加えながらもEAST最多の失点数を記録している点は見過ごせない。補強の成果が十分に表れているとは言い難く、評価はCとした。ここからどのようにチームを立て直していくのか、樹森大介新監督の手腕にも注目が集まる。

浦和レッズ:評価A
大卒やユースからのトップ昇格組を除くと、期限付き移籍からの復帰組が新戦力の多くを占めている浦和レッズ。開幕後の2月には、約9年ぶりとなるFWオナイウ阿道のチーム復帰が話題を呼んだ。
目玉補強と呼べる派手な動きはなかったものの、新加入組の活躍は際立っている。なかでも最もチームへの貢献度が高いのは、桐蔭横浜大学から加入したルーキーFW肥田野蓮治の存在だろう。開幕戦でいきなり先発に抜擢されると、前半早々にチーム2点目となるゴールをマーク。以降も第4節、第5節で2試合連続ゴールを記録するなど、フル出場こそないものの質の高いパフォーマンスを披露している。
さらに、京都サンガへの武者修行から帰還したDF宮本優太がここまで6試合に先発出場。昨季まで守備陣を支えたDFマリウス・ホイブラーテンの穴を埋める役割を果たしている。
ルーキーにも期待以上の活躍が見られ、新戦力の出場機会も多い。他クラブで経験を積んだ復帰組も早々にチームへ順応している点など、補強の成果が明確に見られることから評価をAとした。

ジェフユナイテッド千葉:評価C
昨季は昇格プレーオフを勝ち上がり、17年ぶりのJ1復帰を果たしたジェフユナイテッド千葉。しかし、久々のトップカテゴリーではその過酷さをまざまざと見せつけられる展開となっている。
開幕戦で浦和に0-2で敗れると、そこからPK戦での負けも含めて4連敗。柏レイソルとの千葉ダービーで今季初勝利を挙げたが、直近は再び3連敗となかなか勝ち点を積めずにいる。
そんな千葉の新戦力で注目株は、RB大宮アルディージャから加入したMF津久井匠海だ。2024シーズンにJ3で台頭した選手が、昨季はJ2、今季はJ1と一気に駆け上がってきた。その成長曲線も含め、注目度の高い選手である。
津久井はここまで全試合に出場し、2ゴールをマーク。十分期待に応えるパフォーマンスを見せていると言えるだろう。しかし、その他の新加入選手はまだ目立った活躍が見られないことから、補強全体としての評価はCとした。

柏レイソル:評価C
昨季は2位でシーズンを終えた柏レイソル。しかし今季は開幕からの3連敗が響き、ここまで8位と苦しい序盤戦を強いられている。
今冬の柏には、リカルド・ロドリゲス監督の教え子でもあるMF大久保智明をはじめ、即戦力が複数加わっている。その中で頭角を現しつつあるのがMF山内日向汰だ。昨季シーズン途中に川崎フロンターレからJ2のベガルタ仙台へ期限付き移籍し、8試合2ゴールを記録。今冬に柏へ完全移籍すると、ここまで7試合とほとんどのゲームに絡み、開幕戦では途中出場からゴールもマークしている。先発での出場機会も増えていることから、今後のさらなる成長が楽しみな選手だ。
一方、その他の新戦力に目を向けると、注目のMF大久保は1試合、MF汰木康也も2試合の出場にとどまり、いずれも途中出場のみとインパクトは限定的。補強全体としての効果はまだ見えにくく、評価はCとした。
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