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欧州・南米だけじゃない!日本人選手が稼げるアジアリーグ5選

ジョホール・ダルル・タクジム 写真:アフロスポーツ

マレーシア・スーパーリーグ

“クラブ格差”で年俸は大きく変動。強豪ならJ1超えも可能なリーグ

FIFAランキング116位/AFCクラブコンペティションランキング12位

マレーシア・スーパーリーグは、前身の「マレーシアカップ」として1921年に創設されたアジア最古の大会をルーツに持つ。1979年にリーグ戦が始まり、2004年の再編を経て現在は1部13クラブ、2部16クラブで構成されている。

2025/26シーズンからは外国人登録枠が15人に拡大。リーグは5月から3月にかけて行われる秋春制で、クアラルンプールやジョホールなど都市部に本拠を置くクラブが中心となる。特徴はクラブ間の資金力格差で、ジョホール・ダルル・タクジムのような強豪ではJ1水準、あるいはそれ以上の待遇が提示されるケースもある。

日本人選手の年俸は主力で1,000万~3,000万円が目安だが、クラブによって条件は大きく変動する。一方で物価の安さや税制面の優遇もあり、実際の可処分所得は高くなりやすい。J2・J3所属選手にとっては、現実的なステップアップ先の一つと言える。

実例としては、元ベガルタ仙台のFW佐々木匠がヌグリ・スンビランFCで主力として活躍。さらに2026年には元セレッソ大阪のMF平野佑一が加入し、中盤の中心として期待されている。また、DF大城螢やMF常安澪も同クラブに加わり、日本人選手の存在感は徐々に高まっている。

求められるのは、対人守備の強さとビルドアップ能力だ。特にセンターバックは高さも重要視され、185センチ以上であれば評価が高まりやすい。

生活面では物価が安く、クラブが住居費を負担するケースも多い。年俸自体は突出して高いリーグではないものの、支出を抑えられる環境から、結果的に“手元に残る金額”は大きくなりやすいリーグと言えるだろう。


インドネシア・リーガ1

観客熱と市場拡大で年俸上昇中。“J2から倍増”が現実的な成長リーグ

FIFAランキング112位/AFCクラブコンペティションランキング28位

1994年に「インドネシア・スーパーリーグ」として発足し、2017年からリーガ1として再編された。現在は1部18クラブ、2部20クラブが所属し、国内最大規模のプロリーグとして拡大を続けている。代表チームもW杯アジア予選で躍進を見せ、国内のサッカー人気は急速に高まっている。

2025/26シーズンからは外国人登録枠が11人、同時出場8人までに拡大。リーグは7月から5月の秋春制で行われ、観客動員も増加傾向にある。東南アジア最大級のマーケットとして注目を集めている。

日本人選手の年俸は2,000万~5,000万円が相場で、J2主力クラスであれば年俸が倍以上に跳ね上がるケースも珍しくない。背景には、日本人選手への人気の高さと外国人枠拡大による需要増がある。ルシジャ・ジャカルタのようなビッグクラブでは、運転手付きの車や高級住居が提供されるなど、待遇面も充実している。

実例としては、元大宮アルディージャのMF谷内田哲平がバリ・ユナイテッドFCで主力としてプレーしているほか、複数国でキャリアを積んできたMF赤田法生や、同じく海外経験豊富なMF永松達郎らも継続的に出場機会を得ている。日本人選手はその技術と献身性で現地サポーターから高い支持を受けている。

求められるのは、個で局面を打開する力と守備でのハードワークだ。特に攻撃的ポジションでは、得点やアシストといった結果が強く求められる。

生活面ではクラブによるサポートが手厚く、支出を抑えやすい環境が整っている。市場の成長とともに待遇も向上しており、“これから稼げるリーグ”として注目度はさらに高まっていくだろう。


インディアン・スーパーリーグ

人口14億人の巨大市場。ハマれば“高額契約”も狙えるポテンシャルリーグ

FIFAランキング142位/AFCクラブコンペティションランキング17位

ここまでに挙げた各国リーグの中で、最も謎に包まれた国はインドだろう。インドではクリケットやカバディが圧倒的な人気を誇る一方、近年はサッカー人気も着実に拡大している。そうした中で誕生したのが、国内トップリーグであるインディアン・スーパーリーグ(ISL)だ。

ISLは2013年に創設され、2025/26シーズンは14クラブで構成。シーズンは10月から3月までと比較的短期間で行われる。かつてはIリーグとの“二重構造”が問題となっていたが、2019年に統合が進み、現在は国内リーグとしての体制が整備されている。

外国人枠は登録6人、出場4人と制限されており、他のアジアリーグと比べると競争はやや限定的だ。一方でクラブの資金力は高く、トップクラスの外国人選手には年俸1億円以上が支払われるケースもある。ただし、2026年から導入されたサラリーキャップの影響は今後の動向を左右する要素となる。

現時点でプレーする日本人は、ジャムシェードプルFCに所属するMF立川嶺のみ。推定年俸は約1,400万円とされるが、日本人選手の参入余地はまだ大きく、今後の市場拡大次第では待遇面の上昇も期待できる。

また、人口14億人を背景に観客動員は増加傾向にあり、2024/25シーズンはリーグ全体で約193万人、平均1万人超を記録。これはアジアの中でも高水準であり、市場としての成長余地は非常に大きい。

求められるのは高い技術力と戦術理解だ。フィジカルに優れる外国籍選手が多い中で、小柄な日本人選手でもプレーの質で差別化できる余地がある。

生活コストは低く、支出を抑えやすい点も魅力の一つだ。文化や環境への適応というハードルはあるものの、それを乗り越えれば“高収入を狙える未開拓市場”と言えるだろう。


これらのリーグは、J2・J3所属選手にとって単なる海外挑戦ではなく、「収入を大きく引き上げる現実的な選択肢」となりつつある。外国人枠の拡大と日本人選手への信頼の高さは、その流れを後押ししている。

一方で、成功にはピッチ内の実力だけでなく、文化や生活環境への適応力も不可欠だ。どのリーグを選ぶかによって求められる役割や評価軸も異なる以上、自身の特長とキャリア設計に合った選択が重要になる。アジアという巨大市場をどう活用するか。それが今後、日本人選手のキャリアを大きく左右する鍵となるだろう。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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