Jリーグ

「PKは運ではない」児玉剛が語る復帰の真相とGKの駆け引き【独占取材】

児玉剛氏 写真:Yusuke Sueyoshi

京都サンガでプロデビューし、愛媛FC、モンテディオ山形、FC東京、名古屋グランパスでGKとして活躍した児玉剛氏(38)が、2025年12月、17年間の選手生活に別れを告げた。ピッチ上でのプレーにとどまらず、YouTubeチャンネル『児玉剛VLOG』の配信や、最高経営責任者を務める『合同会社KDM-1』の運営など、幅広い分野で精力的に活動してきた児玉氏。

本インタビューでは、現役引退後から復帰に至った経緯、改めて引退した現在、選手生活で印象に残る試合、児玉氏が運営するGKスクールの最新取り組みや理想とする指導者像、そして現在開催中の明治安田Jリーグ百年構想リーグで注目を集める「PK戦」の極意について話を聞いた。


現役復帰からの1年

ー2025年1月に一度現役を引退された後、2月に名古屋グランパスへ加入し現役復帰を果たしました。その経緯について教えてください。

児玉:セカンドキャリアに向けて準備を進めていた昨年の1月末に、名古屋グランパスから「この先どうするつもりなんだ?」と連絡があり、「実は獲得オファーを出そうとしている」とのお話をいただきました。その時の自分の状況と名古屋のチーム状況などについて数日間話していると「ぜひ一度名古屋に来てほしい」と言っていただき、正式に練習参加を決断しました。一度引退した身ですし、2ヶ月くらい身体を動かしていなかったので不安もあったんですが、練習参加までの3~4日間でトレーニングをして、なんとか身体を戻して参加したという流れですね。

ー再びサッカー選手としてやっていく中で、見える景色も変わったと思いますがいかがでしたか?

児玉:一度辞めてセカンドキャリアに向けて進んでいく中で、“サッカー選手ではない立場”というのも経験したからこそ、サッカー選手として生きていられるありがたさや周りの人への感謝を感じました。グランパスで現役復帰しましたが、自分の中では「この1年限定でやる」という思いでした。1年間の過ごし方はこれまでの現役生活と違いましたし、悔いのないように1日1日を大切にやっていくという気持ちで過ごせたので、全てにおいてよかったなと感謝しています。

ー怪我(左環指中節骨骨折)もあり、思い描いていた時間とはかけ離れてしまった部分もあると思います。そうした中で得られたものはありますか?

児玉:17年間の現役生活で初めて大きな怪我をしてしまったんですが、1日1日やっていこうという中で長期離脱を強いられ、すごく悔しかったです。逆に「引退するシーズンはこんな感じなのかな」という思いもありましたし、辛くもあったんですが「甘くないな」と思いました。なんとか試合に出てグランパスの力になろうと思っていましたが、自分の力不足で試合に出場することができませんでした。でもそれ以上に、サッカー選手としても人としても、色々な面で成長させていただいた1年間でした。当時の長谷川健太監督や古谷さん(古谷武士強化部長)含め、感謝しかないですね。


支えてくれる方々への感謝

ー引退後はサウナの一日店長を務めるなど、名古屋サポーターとの交流もありましたが、この交流を通じて感じたことがあれば教えてください。

児玉:やっぱりどのチームにも熱く応援してくれるサポーター、企業の方、スポンサーの方々がいてくださってチームは成立します。グランパスに限らず、どこのチームのサポーターの方もリスペクトしていますし、本当にすごいと感じます。僕は5チーム渡り歩きましたが、すべてのチームのサポーターに感謝しています。


自信につながったデビュー戦

ーキャリアの中で最も印象に残っているエピソードを教えてください。

児玉:沢山あるんですが、特に印象に残っている試合はJリーグのデビュー戦ですね。僕、デビューがめちゃくちゃ遅くて、京都サンガに入団してカップ戦の出場はあったんですが、リーグ戦は出たことが無いまま愛媛FCに移籍したんです。デビュー戦の横浜FC戦はワクワクした気持ちと緊張が入り混じる中で挑んだんですけど、結果としては0-0で無失点に抑えることができました。「自分はやれるんだな」という自信にもつながりましたし、「やっとプロとしての1歩目を踏み出せた」という思いがあったので、この試合は印象に残っていますね。

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名前:Yusuke Sueyoshi
趣味:スポーツ観戦(野球、サッカー)、サウナ、ジム
好きなチーム:北海道コンサドーレ札幌、FCバルセロナ

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