Jリーグ

2026シーズンを託されたJ3新任監督9人の期待度

吉本岳史監督 写真:Getty Images

高知ユナイテッド:吉本岳史監督

期待度:★★☆☆☆

主な監督実績

  • ブランデュー弘前(2012-2017/東北リーグ1部)
  • 高知ユナイテッド(2022-2024/当時JFL)

2025年12月24日、高知ユナイテッドは吉本岳史監督の監督復帰を発表。現役時代は名古屋グランパスや横浜FCなどでプレー。指導者としては2012シーズンから6シーズンにわたり、ブランデュー弘前を選手兼任監督として率い、青森県1部から東北1部まで押し上げた。その後、横浜FCのジュニアユースコーチ兼U-14監督を経て、2020シーズンに高知のコーチに就任。2022シーズンから2024シーズンまでは監督として指揮を執り、J3昇格を成し遂げた。2025シーズンはアルビレックス新潟のヘッドコーチを務めている。

高知はJ3初年度となった2025シーズンに低迷しながらも残留を確保した。四万十市出身の吉本監督は、J3昇格というクラブ史上最大の成果を残した功労者であり、昨季ピッチ外の騒動が目立ったチームに落ち着きをもたらす存在として期待される。一方で、Jリーグでの監督経験はなく、新潟ではコーチとしてJ2降格を防げなかった点は不安材料だ。まずはチームの立て直しと士気向上を最優先に、残留争いを勝ち抜く戦いが現実的な目標となるだろう。


大木武監督 写真:Getty Images

愛媛FC:大木武監督

期待度:★★☆☆☆

主な監督実績

  • ヴァンフォーレ甲府(2002)
  • 清水エスパルス(2003)
  • ヴァンフォーレ甲府(2005-2007)
  • 京都サンガ(2011-2013)
  • FC岐阜(2017-2019)
  • ロアッソ熊本(2020-2025)

甲府、清水、京都、岐阜など複数のJクラブを率いてきた大木武監督は、Jリーグ屈指のベテラン指揮官だ。2020シーズンからロアッソ熊本を率い、2021シーズンにはJ3優勝を達成。クラブのJ2定着に一定の役割を果たしたが、2025シーズンは最終節での大逆転降格という厳しい結果に終わり、責任を取って辞任した。

2025年12月7日、J2から降格した愛媛FCの再建役として就任が発表され、「必ずここから這い上がる」と決意を示した。独特のサッカー観に基づく攻撃的なスタイルが持ち味だが、過去には守備の不安定さが成績低迷を招いた例もある。実績と経験は十分ながら、直近の失敗を踏まえると過度な期待は禁物だ。まずは残留争いに巻き込まれない土台作りが求められる。


レノファ山口 写真:Getty Images

レノファ山口:小田切道治監督

期待度:★★★☆☆

主な監督実績

  • カターレ富山(2022-2025)
  • 奈良クラブ(2025)

小田切道治監督は、2025年12月8日のレノファ山口の就任会見で、1年でのJ2復帰を誓った。過去の実績としては、カターレ富山を率いた2024シーズンにJ2昇格を達成。2025シーズン途中で解任されたものの、直後に奈良クラブからオファーを受け、同年シーズン中に監督へ就任している。

山口は2025シーズンにJ2から降格し、そのダメージが色濃く残る中での再出発となる。小田切監督の持ち味は、組織的な守備をベースにした現実的な試合運びと、素早い攻守転換を生かしたカウンター戦術だ。富山時代には限られた戦力で結果を出しており、再建期のクラブとの相性は悪くない。一方で、解任歴が続いている点は不安材料でもある。安定感を取り戻せれば、1年でのJ2復帰も決して非現実的ではない。


片野坂知宏 写真:Getty Images

ロアッソ熊本:片野坂知宏監督

期待度:★★★★★

主な監督実績

  • 大分トリニータ(2016-2021)
  • ガンバ大阪(2022)
  • 大分トリニータ(2024-2025)

2016シーズン、J3にまでカテゴリーを下げていた大分の監督に就任すると、初年度にJ2昇格を達成した片野坂知宏監督。2018シーズンにはJ2で2位となり、就任3年でJ1昇格へ導いた。2022シーズンにはG大阪の監督に就任したが8月に解任され、2024シーズンから再び大分を指揮した。

攻撃的なスタイルと選手育成の両立で高い評価を受けてきた指揮官だ。J3降格後の熊本にとって、J3からJ1まで一気に引き上げた実績を持つ片野坂監督の招聘は、これ以上ないカードと言える。2026/27シーズンでのJ2復帰は現実的な目標であり、その先を見据えたチームづくりを託す存在として、最大級の期待が寄せられる。


村主博正監督 写真:Getty Images

鹿児島ユナイテッド:村主博正監督

期待度:★☆☆☆☆

主な監督実績

  • いわきFC(2022-2023)

2022シーズン、J3に昇格したいわきFCは、当時の田村雄三監督がS級ライセンス(現Proライセンス)を保有していなかったため、村主博正氏が登録上の監督として指揮を執った。J3月間優秀監督賞も受賞したが、2023シーズンは成績が伸び悩み、田村監督がライセンスを取得したこともあり、同年限りで解任に。2024、2025シーズンはファジアーノ岡山でコーチを務めている。

鹿児島は2025シーズンにJ2から降格し、早期の立て直しが求められる状況だが、村主監督にとっては実質2度目とはいえ、単独でのトップチーム指揮は限られた経験しかない。いわき時代の評価は「代行的立場での成功」という側面も強く、長期的なチームマネジメントや逆境での立て直し力には未知数な部分が残る。即座に結果を求められる鹿児島の状況を踏まえると、期待値は抑えめに見ざるを得ない。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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