Jリーグ ヴィッセル神戸

名古屋、ミシャ招聘は“プランB”だった!?吉田孝行神戸前監督・清水行きの裏側明らかに

吉田孝行監督 写真:Getty Images

 2025シーズンまでヴィッセル神戸の指揮官を務めていた吉田孝行氏は、秋葉忠宏氏の後任として清水エスパルスの監督に就任。神戸コーチ陣を次々と引き抜く可能性が取りざたされているが、その一方で名古屋グランパスが吉田氏の招へいに失敗していた模様。長谷川健太監督の後任として招へいしたミハイロ・ペトロヴィッチ氏(元サンフレッチェ広島、浦和レッズ、北海道コンサドーレ札幌指揮官)は“プランB”だったとみられる。

 吉田氏の去就を巡っては、清水行きが確定する前に韓国1部・蔚山HDの監督に就任する可能性が取りざたされていたが、海外挑戦が実現に至らず。同国メディア『ball manchan』は12月22日に蔚山HDの監督人事を巡る動きについて、以下のように報じている。

 「蔚山は2025年10月から新監督の候補を絞り込み、11月に入ると招聘に向けての動きを本格化させた。その中で最初に接触した人物は、当時神戸を率いていた吉田孝行だった。シーズン終了を迎える時期に面談が行われ、蔚山側は(監督側から)提示された条件に対応可能であると認識していた。しかし、吉田には名古屋や清水といったJリーグクラブからのオファーもあり、日本に残る可能性が高い状況だった。最終的に、吉田は清水を選択した」

 この報道内容を踏まえると、吉田氏には少なくとも蔚山、名古屋、清水の3クラブが接触。清水が争奪戦を制したとみられ、名古屋は本命を取り逃したものとみられる。

 一連の動きを整理すると、吉田氏の清水行きはJリーグ内外を巻き込んだ争奪戦の帰結であったことが浮き彫りになる。名古屋や蔚山といった有力クラブが水面下で接触していた事実は、同氏に対する評価の高さを示すと同時に、各クラブの中長期的なビジョンが監督人事に直結している現実を示している。

 その中で清水が吉田氏を射止めたことは、クラブの再建や方向性に対する本気度の表れであり、今後のチーム作りの成否を占う重要な一手となる。元神戸指揮官の選択が正解であったか否かは、結果によってのみ証明されるであろう。