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ブエノ退団決定的であるC大阪の他に…Jクラブが“高額年俸”外国人選手放出へ

ヴィトール・ブエノ 写真:Getty Images

 セレッソ大阪所属のブラジル人MFヴィトール・ブエノには、以前から今季限りで退団する可能性が報じられているが、C大阪以外のJリーグ他クラブも外国人選手を放出する見込み。背景には秋春制移行があるという。

 ブエノの去就を巡っては、ブラジル『UOL』が12月17日に「彼はC大阪に契約解除を要求。ブラジルへの復帰を希望している」と報道。すると『Antenados no Futebol』は21日に「彼はC大阪と契約解除で合意。2026年からブラジルへ復帰する」「C大阪は高額年俸を受け取っている一部選手を放出したいと考えている」と伝えている。

 ブエノは2024年1月にアトレチコ・パラナエンセからC大阪へ完全移籍したが、来日1年目はJ1リーグ戦21試合の出場で3ゴール3アシストという結果に。今季も17試合の出場で3ゴールに終わり、ブラジル『Band』が報じた350万ドル(約5億円)という移籍金額に見合っていないとの意見も上がっている。

 くわえてブラジル人ジャーナリストのライサ・シンプリシオ氏は、秋春制移行に伴う日本サッカー界の傾向に着目。ブエノのC大阪退団を伝えた上で、「Jリーグは(シーズン移行に伴い、およそ6ヶ月間は試合の少ない期間が生じる。2026年夏までの大会は開催されるが、現時点ではそれほど重要度の高いものではない」とリポート。「C大阪をはじめ一部のクラブは、高額年俸を受け取っている外国人選手の放出を検討している」としているが、C大阪の他に人員整理を行うクラブ名は挙げていない。

 ブエノの去就問題は、単なる一選手の成績不振や契約事情にとどまらず、秋春制移行という制度改革がJリーグ各クラブの編成方針に与える影響を象徴する事例である。試合数や大会価値が不透明な移行期において、クラブは限られた予算をより合理的に配分する必要に迫られている。

 その中で、高額年俸の外国人選手が厳しい評価にさらされるのは必然とも言える。今後は短期的な戦力補強よりも、持続可能なクラブ運営と戦略的な人材投資が、Jリーグ全体に問われる局面へと入っていくのである。