
京都橘高校(京都府)
京都橘高校は、選手権大会で豊富な出場実績を誇る名門校だ。第104回大会では京都府大会を制し、3大会連続・通算12回目の出場を決めた。過去には2012年準優勝、2013年のベスト4など輝かしい成績を残しており、全国の舞台でも確かな実力を示してきた。
注目はヴィッセル神戸への加入が内定しているFW伊藤湊太。186cmの高さに加え、スピード、フィジカル、足元の技術を兼ね備えたストライカーで、U-18日本代表に選出されるなど全国的な評価も高い。全国の強豪が集まる選手権の舞台でも前線の軸として攻撃を牽引し、チームの戦力を押し上げる重要な役割を担う存在だ。
京都橘はこれまで準優勝やベスト4を経験してきた実績が示すとおり、中盤を中心に落ち着いた試合運びができる選手が多く、強豪相手に競り合える力を備えている。こうした経験と安定したチーム力を踏まえると、今大会でも上位進出を狙える存在といえる。

神戸弘陵学園高校(兵庫県)
兵庫県代表として2年ぶり13回目の選手権出場を決めたのは神戸弘陵学園高校だ。県大会を通じて安定した戦いを続け、堅守と終盤での粘り強さが高く評価された。予選決勝では三田学園高校に2-1で逆転勝利を収めるなど、接戦を勝ち切る勝負強さを示した。
注目選手はキャプテンを務めるDF今井凛太朗。174cm71kgと大柄ではないものの、読みの鋭さと的確なポジショニングが強みだ。守備ラインの統率力にも優れ、チームをまとめるキャプテンシーも光る。組織的な守備力を強みとする神戸弘陵の中で、今井の安定感は全国大会でも大きな武器となるだろう。
選手権では県大会で見せた守備の安定感を基盤に、試合終盤での粘り強さを生かした戦いが求められる。強豪校との対戦が続く中でも、試合の流れを見極めながら得点機会をうかがう展開に持ち込めれば勝機は十分に見えてくる。培ってきた堅実な戦い方が、全国の舞台でどこまで通用するか注目したい。
地域全体の傾向と注目ポイント
近畿地方からは全国の常連校や実績校が数多く出場しており、各代表校に成熟したチーム力が見られる。守備面では最終ラインと中盤の連動が機能するチームが多く、相手の攻撃を抑えながら粘り強く戦う姿が目立つ。攻撃面でもサイド突破や中盤からの組み立て、セットプレーなど複数の得点パターンを持ち、相手守備の隙を突いてチャンスを生みだすことができる。
また、試合運びの巧みさも近畿勢の強みのひとつだ。中盤の選手が的確な状況判断で主導権を握り、一発勝負の全国大会でも試合を優位に進められる点は大きな武器だ。加えて、厳しい予選を勝ち抜いた経験は、精神面のタフさや集中力の維持につながり、緊張感の高い舞台で勝負強さを発揮することが期待される。全国の舞台で、近畿勢がどのような戦いを見せるのか注目したい。
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