
全国高校サッカー選手権大会は、47都道府県の代表校が全国の舞台で競い合う高校サッカー最大のトーナメントだ。近畿地方からは、伝統校や復活を狙う高校が毎年顔をそろえ、全国でも屈指の激戦区として知られている。2025年の第104回大会でも近畿エリアの代表校は厳しい予選を勝ち抜いており、全国の舞台で勝ち上がるだけの実力を備えている。
この記事では、近畿地方から特に注目すべき4校をピックアップし、それぞれの強みや注目ポイントを紹介する。全国大会でどのような戦いを見せるのか、各校の挑戦に期待したい。

興國高校(大阪府)
大阪府の激戦を制し、選手権への出場を決めたのは興國高校だ。予選決勝ではPK戦の末に履正社高校を破り、代表校の座を獲得。興國は6年ぶり2回目の選手権出場を勝ち取った。大阪を代表する伝統校のひとつとして、全国大会での戦いにも期待がかかる。
注目選手はDF松岡敏也。2026シーズンからアルビレックス新潟への加入が内定している同校期待の右サイドバックだ。スピードと的確な判断力に加えビルドアップ能力にも優れ、空中戦でも強さを発揮する万能型DFで、U-18日本代表に選出された経歴も持つ。その実力は高校年代でも高く評価されており、全国の舞台でもチームを支える存在として大きな注目を集めるだろう。
興國高校は技術力と判断力を重視した指導方針を掲げており、選手が自ら状況を捉えてプレーする育成環境が整っている。日頃からポジションに縛られない発想力や、試合中の変化に対応するための基礎技術を徹底しており、こうした積み重ねが大阪府予選の激戦を勝ち抜く力につながっている。
選手権では、攻守のバランスを意識したチーム構成が強みとなる。特定の選手に依存せず、複数の選手が状況に応じて役割を果たせる点は、短期決戦のトーナメントにおいて安定感につながる要素だ。個々の能力を活かしながら組織的なプレーを発揮できれば、上位進出も十分狙えるだろう。
初芝橋本高校(和歌山県)
和歌山県代表として全国の舞台に挑むのは、初芝橋本高校だ。県大会決勝では近畿大学附属和歌山高校を2-0で破り、2大会ぶり18回目の選手権出場を決めた。11月17日の組み合わせ抽選の結果、1回戦では全国屈指の強豪・青森山田高校との対戦が決定。厳しい初戦を前に注目したいのが、キャプテンを務めるDF西真那人とMF松田柊斗の2人だ。
西は守備の要として出場を重ねてきた選手で、空中戦や球際の強さを自身の武器とする。県大会決勝では先制点となるミドルシュートを決めるなど、守備だけでなく得点面でも存在感を発揮した。安定した守備力と高い集中力は、全国の舞台でもチームを支える大きな要素となるだろう。
松田は豊富な運動量と積極的なボールへの関与でチームに貢献してきた。試合を通して走り続ける姿勢が評価されており、1年生ながら堂々としたプレーでチームに勢いを与えている。全国大会でも新戦力としての躍動が期待される。
初戦の相手となる青森山田は言わずと知れた強豪校だが、初芝橋本には粘り強い守備と集中力の高さがある。失点を抑えながら試合をコントロールできれば、セットプレーや速攻から得点機会を生み出す展開も十分に見込めるだろう。県大会を勝ち抜いて得た自信と選手たちの成長がかみ合えば、初戦突破から勢いに乗る可能性もある。
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