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一部サポーターの暴言も影響?浦和退団チアゴ・サンタナ、清水退団時との温度差が話題

チアゴ・サンタナ 写真:Getty Images

 浦和レッズは11月16日、ブラジル人FWチアゴ・サンタナが契約満了により今季限りで退団すると公式発表。清水エスパルス退団時との比較で選手本人のコメントが短いと話題になっているが、同選手は試合前に一部サポーターから暴言を浴びていた。

 サンタナは清水エスパルス移籍1年目の2021シーズンから2年続けてJ1リーグで2桁ゴールをマークするなど、浦和移籍前までは持ち前の決定力をいかんなく発揮していた。しかし、2024年の浦和移籍後は目立った結果を残せず。2025シーズンもJ1リーグ戦で開幕から9試合スタメン出場し3ゴールを挙げたが、その後はグロインペイン症候群の発症により戦線離脱。5月末の復帰後はリーグ戦8試合の出場で1ゴールにとどまり、8月22日の柏レイソル戦を最後にリーグ戦のピッチに立っていない。

 サンタナは今季限りでの浦和退団が決まったことを受けて、「浦和レッズに関わる全てのみなさま。2年間共に闘っていただき、ありがとうございました。新しい挑戦に向かいます。引き続き応援よろしくお願いします」とクラブ公式サイトを通じてコメントしている。一方、清水退団後は同クラブのファン・サポーター等に向けて以下のような長文メッセージを伝えていた。

 「清水エスパルスに関わる方々、チームメイト、そしてサポーターの皆様、今日は私にとってとても複雑な日です。私のプロキャリアにおいて、新たな挑戦をする決意とお別れの挨拶をしたいと思います。3 年前、この素晴らしい国にある清水エスパルスは、私に扉を開いてくれたクラブです」

 「私が日本に着いたその日から、皆さんがとてつもなくスペシャルだったことを覚えています。当時はパンデミックの時期だったため、私は妻と子供をブラジルに残して、1 年間エスパルスのために戦い続けました。その苦境を乗り越えられたのは、来日した日からクラブのプロフェッショナルな姿勢や熱狂的なサポーター、エスパルスファミリー全員に歓迎されたからに他ならないです。本当に皆さんにハグされた感じでした」

 「2021 年当時のそれは、家族の不在を感じさせないくらい温かいものでした。その後、私の妻と長女、長男が来日しましたが、皆さまからとても歓迎されて家族が一つになりました。日本、静岡、清水の文化、伝統、歴史について、愛と優しさをもって教えてくれたことに感謝しています。エスパルスで戦った3 シーズンで残せた結果は43 ゴール、2022 年にはJ1リーグ得点王、113 試合に出場し、皆さんに喜んでいただけるよう全力を尽くしてきました」

 「人生において悲しい瞬間もあるように、残念ながらチームはJ2 に降格してしまいましたが、近い将来に必ずエスパルスはいるべき場所で、ふさわしい輝きを取り戻すと信じています。静岡市民、静岡県民、そして日本の皆様と一緒に過ごせた全ての時間にあらためて感謝します。この場は「さようなら」ではなく、「また近々会いましょう」だと心の中で感じています。クラブと皆さま一人ひとりの成功をこれからも応援しています。Um forte abraço!」

 浦和退団時、清水退団時のコメントはスクリーンショットによりネット上で拡散され、ファン・サポーター等間で比較されている。こうしたコメント内容を踏まえると、清水退団時と浦和退団時の温度差は明らかだが、その背景にはサンタナに対する一部の浦和サポーターの振る舞いが考えられる。

 9月3日に埼玉スタジアムで行われたYBCルヴァンカップ準々決勝の川崎フロンターレ戦では、チームメイトのMF大久保智明が「チアゴに対して試合前からゴール裏から暴言が飛んできたり、そういうことが多かった」と試合後にコメント。「話したりはしないですけど、『最近すごいよね』っていう話はみんなでしています」などと、チーム内での反応も明かしていたが、こうした暴言がブラジル人ストライカーの気持ちやパフォーマンスに影響を与えた可能性も考えられるところだ。