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J2今治内定の帝京MF久保恵音が語る選手権の壁「周りが見えなかった」

久保恵音 写真:Yusuke Sueyoshi

11月8日、味の素フィールド西が丘(東京都)で第104回全国高校サッカー選手権大会・東京都2次予選Aブロック準決勝が行われた。第1試合では、昨年のA代表覇者である帝京高校と、同じく昨年B代表覇者の堀越高校が激突。注目の一戦を一目見ようと、会場には3,736人の観客が詰めかけた。

なかでも注目を集めたのは、FC今治(J2)への加入が内定している帝京のMF久保恵音と、昨年の全国高校サッカー選手権大会で2年生ながら大会得点王に輝いた堀越FW三鴨奏太、いずれも「10番」を背負う両エースのプレーだった。この試合は、彼らの出来が勝負を左右するだろうと筆者は見ていた。

ここでは、その熱戦の模様を振り返るとともに、試合後に久保選手が語ったコメントを紹介する。


久保恵音 写真:Yusuke Sueyoshi

開始早々の失点は「自分のせい」

試合は開始早々に動いた。前半2分、堀越の三鴨が中盤でボールを受けると、ドリブルでアタッキングサードへ突入。MF高橋琉が左サイドを駆け上がったMF濱岡大世へパス。濱岡がクロスを供給し、MF谷口昊成がこぼれ球を拾うとMF杉村充樹へパス。杉村が冷静に流し込み、堀越が電光石火の先制に成功した。

この失点シーンについて久保は「自分がファーサイドに残っていなかったせいで失点してしまった。自分のせいだと思います」と悔しさをにじませた。

出鼻をくじかれた帝京もすぐに反撃に出る。同7分、DF小林爽人のクロスを堀越DFがクリアミス。MF杉岡侑樹の下へ転がったボールを冷静に決めて、すぐさま同点に追いついた。その後の帝京は久保にボールを集めるも堀越DF陣に封じ込まれ、思うような展開を作れない時間が続く。

32分、堀越が再び試合を動かした。MF谷口悠成のフライスルーパスに反応した杉村がセンタリングを送ると、これが帝京の選手に当たりオウンゴール。堀越が2-1と勝ち越しに成功した。

帝京はその後も久保の持ち出しからチャンスメイクを試みるも、ボールロストが目立ち攻撃が停滞。久保は「ボールを持っても周りが見えず、焦ってロストしてしまった。試合を通じて上手くいかないシーンがあったので『やばいな』という気持ちがあり、なかなか良いプレーができなかった。後半の入りや試合の終盤では自分たちが(ボールを)握っていたんですが、シュートや得点という形まで結びつかずに引きずってしまい、これが焦りに繋がってしまった」と振り返った。

62分、久保はFW山田知希と交代しピッチを後に。「正直、最後まで出場する気持ちでいました。ベンチでは応援する事しかできないので、最後まで応援しました」と仲間の反撃を祈ったが、無情にも試合終了のホイッスルが鳴り、反撃及ばず、2年連続36回目の選手権出場とはならなかった。

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名前:Yusuke Sueyoshi
趣味:スポーツ観戦(野球、サッカー)、サウナ、ジム
好きなチーム:北海道コンサドーレ札幌、ジェフユナイテッド千葉、FCバルセロナ

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