Jリーグ ツエーゲン金沢

元JFA会長も苦言のアウェイ差別…J3ツエーゲン金沢戦でザスパ群馬サポ抗議!

ツエーゲン金沢 写真:Getty Images

 明治安田J3リーグ第34節のツエーゲン金沢対ザスパ群馬が11月2日、石川県の金沢ゴーゴーカレースタジアムで開催。群馬が3-1で逆転勝利を収めたが、アウェイゴール裏に屋根が無い同スタジアムの構造が再び話題に。“アウェイ冷遇”とも解釈可能な事象には以前、元日本サッカー協会(JFA)会長の川淵三郎氏が疑問を投げかけていた。

 気温14度、曇のち雨という気候条件のもと行われた金沢対群馬では、試合中断中にアウェイゴール裏から屋根の設置を求める抗議チャントが響いたことで話題に。群馬サポーターの様子を捉えた動画がネット上で拡散されると、ホーム側のみ屋根が設置されているスタジアム構造を巡り、様々な意見が飛び交っている。

 ホーム側とアウェイ側の観戦環境の違いを巡っては、以前に川淵氏が否定的な見解を示したことで話題に。同氏は2024年10月、V・ファーレン長崎の新スタジアム「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」(通称ピースタ)に来場した際、Xで「今、Jクラブはアウェーのチームを差別化しているところが多い」と述べた上で、新スタジアムの構造を「平等」「Jリーグをあるべき姿に改善しようとする姿」などと評価していた。

 また、アウェーチームの差別化という点で様々なメッセージが寄せられると、「そんな差別をしているの?ホームチームは。フェアプレーの精神はどこへいったの?アウェーチームの戦う条件を少しでも悪くしようなどとケチなことを考えるようにいつからなったの?」などと首を傾げている。

 今回の一件は、単なるスタジアム設備の問題にとどまらず、Jリーグ全体が掲げる「フェアプレー」や「地域に根ざしたクラブ運営」の理念を、いかに具体的な形で体現するかという根本的な問いを突きつけている。サッカーは選手だけでなく、応援するサポーターにとっても共に戦うスポーツであり、観戦環境の公平さはその精神を支える基盤である。

 クラブの経済事情や施設構造上の制約もあるが、だからこそ、運営側に対して対等な環境づくりに努めることがより一層求められそうだ。