
9月中旬から10月中旬にかけて、サッカー専門データサイト『Transfermarkt』が、オーストリア、ベルギー、スペイン、イタリア、フランスなど欧州各国リーグでプレーする日本人選手の市場価値を更新した。
ここでは、9月1日から10月14日にかけて市場価値がアップデートされた上記リーグ所属の日本人選手の中から、市場価値の上昇幅が最も大きかったTOP12を紹介する。

第6位タイ:瀬古歩夢(ル・アーブル)
- 上昇額:1.00m€(約1億7,600万円)
- 現市場価値:2.00m€(約3億5,000万円)
第6位タイには7人がランクイン。まず1人目は、今季スイス1部のグラスホッパーからフランス1部のル・アーブルへ移籍したDF瀬古歩夢。
現在25歳の瀬古は、両足から放たれる正確なフィードで攻撃の起点となるほか、優れたポジショニングや鋭い読みで相手の攻撃の芽を摘むことが出来る現代型のCB(センターバック)である。
セレッソ大阪ユース時代から持ち前のフィジカルを武器に世代屈指のCBとして注目を集め、2018年10月、高校3年生にして異例のプロ契約を締結。プロ入り後はミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(2019-2020)の下で組織的な守備を学び、2020シーズンにはJ1リーグとYBCルヴァンカップで新人王の2冠に輝いた。翌2021シーズンには日本代表にも初選出されている。
さらなる成長を求め、2022年1月にグラスホッパーへ移籍。本職であるCBとして3バックや4バックでプレーしたほかボランチとしての時間も増え、ユーティリティー性にも磨きをかけた。そして今季はル・アーブルに活躍の場を移し、ここまでリーグ戦すべてに出場するなどチームの信頼を得ている。
また、日本代表でもコンスタントに招集が続いており、今や守備陣の中心的存在に成長。10月10日にパナソニックスタジアム吹田(大阪府)で行われたパラグアイ代表との親善試合(2-2)でも、3CBの一角として最終ラインを統率した。今後の更なる活躍に期待が集まる。

第6位タイ:藤本寛也(バーミンガム・シティ)
- 上昇額:1.00m€(約1億7,600万円)
- 現市場価値:5.00m€(約8億8,000万円)
第6位タイの2人目は、DF岩田智輝やFW古橋享梧がプレーするイングランド2部のバーミンガム・シティへ完全移籍で加入したMF藤本寛也がランクイン。
現在26歳の藤本は、東京ヴェルディの下部組織出身。2018シーズンにトップチームへと昇格し、本職のボランチとして卓越した足元の技術と高精度のキックを武器にチャンスを演出した。2年半の所属期間でリーグ戦49試合に出場し、4ゴール2アシストを記録。数字以上に、ゲームをコントロールする存在感が際立っていた。
2020年8月には、ポルトガル1部のジル・ヴィセンテへ移籍。以降5シーズンにわたり、リーグ戦156試合に出場して12ゴール18アシストを挙げるなど、チームの主力としてプレーを続けた。
そして今季からは新天地・イングランドに挑戦。バーミンガムではここまでリーグ戦1試合の出場にとどまっているが、戦術理解が進めば持ち前の技術と展開力で存在感を発揮する可能性は高い。今後の適応と活躍に注目が集まる。

第6位タイ:佐野航大(NECナイメヘン)
- 上昇額:1.00m€(約1億7,600万円)
- 現市場価値:5.00m€(約8億8,000万円)
第6位タイ3人目は、オランダ1部のNECナイメヘンでプレーするMF佐野航大だ。
鳥取県の米子北高校から2020シーズンにファジアーノ岡山へ加入。高い基礎技術と優れたドリブル技術で、狭いスペースでもスルスルと相手選手をかわす。岡山所属時の2020~21シーズンは、サイドハーフやボランチなど複数ポジションをこなすユーティリティ性でも存在感を示した。
その活躍に海外クラブも注目。2023年8月にはNECナイメヘンと5年契約を締結し、ヨーロッパの舞台へ挑戦した。加入初年度の2023/24シーズンには24試合で4ゴールを記録。続く2024/25シーズンも25試合2ゴールをマークしており、チームに欠かせない存在となっている。特に勝負どころで決め切る決定力は評価が高く、クラブからの信頼も厚い。

第6位タイ:伊藤敦樹(KAAヘント)
- 上昇額:1.00m€(約1億7,600万円)
- 現市場価値:4.00m€(約7億280万円)
第6位タイ4人目は、2024年8月からベルギー1部のKAAヘントでプレーしているMF伊藤敦樹。
浦和レッズのアカデミー出身だがトップ昇格は叶わず、流通経済大学へ進学。1年時からトップチームで出場を重ねるなど早くから頭角を現した。4年時には背番号「10」を背負い、本職のボランチに加えてサイドバック(SB)やCBでもプレーするなど複数ポジションをこなすユーティリティ性を身につけ、2021シーズンに晴れて浦和のトップチームに昇格した。
伊藤はボランチとして守備では球際の強さを武器に相手の攻撃の芽を摘むことができるほか、攻撃でもドリブル突破や足元の技術で「現代型ボランチ」として活躍。AFC(アジアサッカー連盟)チャンピオンズリーグ2022では、決勝2試合に出場し優勝に貢献した。Jリーグ屈指のボランチとして活躍していた伊藤は、2024年シーズン途中にKAAヘントへ完全移籍。移籍初年度の2024/25シーズンは、リーグ戦25試合で2ゴールをマークし、スタートを切った。
ヘント2年目となる今シーズンは、ここまでリーグ戦10試合に出場して3ゴール。チームも4位につけるなど、充実したシーズンを送っている。
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