
2025明治安田J1リーグは第33節までの日程を終え、いよいよ最終盤戦へと突入した。開幕当初は唯一の3連勝でスタートダッシュに成功した湘南ベルマーレが首位に立ち、その後はアビスパ福岡や京都サンガら新勢力が巻き返す展開も見られた。
しかし、シーズン終盤に来て首位を走るのは、オリジナル10の名門・鹿島アントラーズだ。同じくオリジナル10であり、J2降格経験のない横浜F・マリノスが残留争いに苦しむなか、鹿島は今季も抜群の安定感で上位を維持し、久々のリーグ制覇まであと一歩と迫っている。
残り試合数と勝ち点差を踏まえると、優勝争いは鹿島に加え昨季の14位から今季は圧倒的な攻撃力で一気に上位まで登ってきた京都、リカルド・ロドリゲス監督指揮のもと昨年薄氷を踏む残留からチーム立て直しに成功した柏レイソル、そして二連覇中の王者ヴィッセル神戸の4クラブに絞られたと言っても過言ではないだろう。ここでは、そんな上位4クラブの残り対戦カードから、優勝争いの行方を展望する。

タイトル奪還まであと一歩!:鹿島アントラーズ
残りの対戦カード:神戸、京都、横浜FC、東京V、横浜FM
かつては“常勝軍団“と呼ばれた鹿島アントラーズも、気がつけば長らく無冠。しかし、今季はリーグ戦でタイトル奪還にあと一歩の位置まで来ている。クラブOBであり、近年川崎フロンターレに多くのタイトルをもたらした鬼木達氏を新監督に迎えた今季、開幕戦では湘南ベルマーレに0-1で敗れたものの、第2節からは4連勝を記録し、その後も第11節からの7連勝など途中複数の連敗を挟みながらも、終盤戦では首位争いを繰り広げる堂々たる戦いぶりを見せている。
残り5戦の対戦カードは、優勝争いのライバルや現在残留争いに巻き込まれているクラブとの戦いとなる。互いに状況は異なるが、いずれも落とせないゲームとなるだけに、どのカードも緊迫した試合展開が予想される。その中でも鹿島のタイトル奪還に向けて大きな障壁となるのが、次節の神戸戦とそれに続く京都戦。2連勝すれば大きく優勝に近づくが、仮に連敗すれば現在持っている勝ち点差のアドバンテージを失うことに等しい。死にもの狂いで挑んでくる下位勢との対戦も要注意だが、ここからの2試合で鹿島が今季のリーグタイトルを取るにふさわしいクラブかどうか証明されると言えるだろう。

優勝、残留争いのカギを握る:京都サンガ
残りの対戦カード:湘南、鹿島、横浜FM、横浜FC、神戸
今季の優勝争い、そして残留争いのカギを握る存在が京都サンガであることは間違いない。開幕から3戦未勝利と出遅れたものの、前半戦では3度の連勝を挙げて着実に調子を上げていった。さらに後半戦に入ると4連勝を含む10戦負けなしと安定した強さで現在2位につけている。
残りの対戦カードに目を向けると、優勝を争うライバル鹿島アントラーズ、ヴィッセル神戸との対戦を残しており、自力で首位・鹿島との勝ち点差を縮める可能性も残している。また、注目なのは残留争いの渦中にある湘南ベルマーレ、横浜F・マリノス、横浜FCとの対戦も残している点だ。前半の対戦では3クラブすべてに勝利を収めているが、ここからの対戦はいずれも京都戦の結果が自クラブの残留を左右するものとなりかねないタイミングであることから、決して簡単なゲームにはならないだろう。
残りの対戦カードにおける今季の戦績は4勝1分と、上位4クラブの中では最も良い。下位勢相手に確実に白星を挙げ、かつライバルとの直接対決でも前半戦同様の結果を得られるか注目だ。
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