日本代表・海外組 日本代表

「W杯ではバランスが求められる」日本代表に初黒星のブラジルが教訓を得る

日本代表 写真:Getty Images

 10月10日に行われた韓国代表との親善試合で5-0の快勝を収めたブラジル代表だったが、14日に東京で行われた日本代表との一戦では一転して厳しい現実に直面した。

 前半を2-0で折り返しながらも、後半に守備の乱れが重なり、2-3で逆転負けを喫した。試合後、ブラジル代表の主将MFカゼミーロ(マンチェスター・ユナイテッド)をはじめチーム内からは、内容の乏しさと集中力の欠如を悔やむ声が上がった。

 ブラジルにとって日本代表への敗戦は史上初となる。この結果について、大手メディア『ESPN』のUK版によると、ブラジル代表のカルロ・アンチェロッティ監督は「チーム全体が後半に崩れてしまった」と述べ、特に最初の失点後に立て直しができなかった点を最大の問題として指摘した。同指揮官はまた「個々のミスそのものよりも、チームのその後のリアクションが重要だ」と強調し、次の試合に向けて改善の必要性を語った。

 試合はブラジルが前半に2ゴールを決め、余裕の展開に見えた。しかし後半に入ると流れは一変。ブラジルDFのパスミスをFW南野拓実(モナコ)が見逃さず1点を返すと、MF中村敬斗(スタッド・ランス)のボレーシュートもゴールに吸い込まれる。さらにFW上田綺世(フェイエノールト)が決勝点を頭で決め、日本が3-2でブラジルに歴史的勝利を収めた。

 カゼミーロは、ブラジルメディア『Sportv』のインタビューで「後半45分間、チーム全体が眠っていた」と厳しく自チームを批判。「この45分がFIFAワールドカップ(W杯)、コパ・アメリカ、メダル、4年間の夢を失わせるかもしれない。どんな相手でも高いレベルを保たなければならない」と語り、慢心が敗因の一つであったことを認めた。

 『ESPN』のUK版によると、アンチェロッティ監督は「最初のミスまでは試合をうまくコントロールできていた」と振り返りつつも、「その後にチームがメンタルを失ってしまった」と分析。さらに「11月の試合でもテストを続ける。この敗戦で方針は変わらない」と述べ、「W杯ではバランスが求められる」と強調した。ブラジルは韓国戦の勢いを維持できず、今後への大きな教訓を得る形となった。