日本代表・海外組 海外日本人選手

欧州デビュー戦でゴールを決めた日本人選手5選

香川真司 写真:Getty Images

香川真司(ボルシア・ドルトムント/2010年8月19日カラバフ戦)

名将に決定力を証明してみせたゴール

セレッソ大阪に見いだされ、高校2年生にしてプロ契約を結んだMF香川真司。2007シーズン、チームがJ2降格したのが逆に彼にとってはチャンスとなり、レヴィー・クルピ監督(1997、2007-2013、2021)に攻撃的MFのレギュラーに抜擢された。

元はボランチ志向だった香川は、クルピ監督から「ベテランになったらボランチに戻ったらいい。今は前線でチャレンジしなさい。それが明るい未来につながっていくんだ」と説得されたことが報じられたが、奇しくも現在、その言葉が現実のものとなっている。

2010年7月、35万ユーロ(約4,000万円)の移籍金をC大阪に残し、ブンデスリーガ(ドイツ)のボルシア・ドルトムントに移籍。公式戦デビューとなったUEFAヨーロッパリーグ(EL)予選プレーオフ第1戦のカラバフ戦で2得点を挙げ、リーグ第3節のVfLヴォルフスブルク戦でもブンデスリーガ初得点を記録した。

第4節のシャルケ04とのルールダービーでは、「僕が2点取って2-0で勝つ」との公言通りに2得点を記録した(最終スコアは3-1)香川。そのことでドイツ中に名が知れ渡り、後にリバプールで世界的名将となる当時のユルゲン・クロップ監督(現レッドブル・グローバルサッカー部門責任者)にも、自らの実力が本物であると証明してみせた。

その後、プレミアリーグ(イングランド)の強豪マンチェスター・ユナイテッド(2012-2014)にまで出世した香川だが、再びのドルトムント(2014-2019)、ベシクタシュ(2019)、レアル・サラゴサ(2019-2020)、PAOKテッサロニキ(2020-2021)、シント=トロイデン(2022-2023)を経てJリーグに復帰。未だ現役を続け、C大阪では若いチームの兄貴分的存在だ。引退はまだ先だろうが、ドルトムント時代は最も輝きを放ったと言える。


南野拓実 写真:Getty Images

南野拓実(サウサンプトン/2021年2月6日ニューカッスル戦)

目の肥えたイングランドのサポーターをも納得させた個人技

日本代表FW南野拓実は、2015年にセレッソ大阪からオーストリアのレッドブル・ザルツブルクに移籍し、欧州でのキャリアをスタートさせた。2019年12月にリバプールへ移籍したが、出場機会に恵まれず、2021年2月にサウサンプトンへ期限付き移籍した。

移籍後デビュー戦となった同年2月6日のニューカッスル戦(セント・メリーズ・スタジアム/2-3)で先発出場し、前半30分に鮮やかな個人技で同点ゴールを決め、サウサンプトンのファンに強烈な印象を残した。

この活躍により、南野はサウサンプトンで存在感を示し、プレミアリーグで出場機会を増やすこととなった。2022年夏にはフランスのモナコへ移籍し、リーグ・アンでの初ゴールも早い段階で記録するなど、欧州5大リーグで存在感を示している。


久保建英 写真:Getty Images

久保建英(レアル・ソシエダ/2022年8月14日カディス戦)

ラ・リーガ3クラブで得点した最初の日本人選手

2019年にFC東京からレアル・マドリードに完全移籍した日本代表MF久保建英。しかし世界一のメガクラブでは出番は限られ、2021/22シーズンを前にマヨルカへと期限付き移籍した。マヨルカ移籍後、ラ・リーガ第13節のビジャレアル戦では、18歳5か月6日で得点を決め、欧州5大リーグのアジア人選手最年少得点を樹立している。

その後、ビジャレアル(2021)、ヘタフェ(2021)、再びマヨルカ(2021-2022)と期限付き移籍を経て、2022/23シーズンからレアル・ソシエダに完全移籍。移籍後のデビューとなったリーグ開幕戦のカディス戦では、24分に右足のボレーシュートで加入後初ゴールとなる決勝弾を挙げ、チームを1-0の勝利に導いた。

カディス戦のゴールでは、マジョルカ、ヘタフェ、ビジャレアルの3クラブで得点した最初の日本人選手となった久保。現在、ソシエダでは中心選手として欠かせない存在となっている。


続く成功の系譜

他にも、欧州5大リーグではないが、シュトゥットガルト(当時2部)の浅野拓磨(2016年10月30日)や、フローニンゲンの堂安律(2017年9月30日)らが、移籍後早い段階で得点し、欧州でのキャリアを好スタートさせた。堂安は2025年夏にフライブルクからフランクフルトへ移籍すると、加入3試合で4得点1アシストを記録し、クラブの月間MVPに選出されるなど、適応力の高さを示している。

これらの選手の移籍後早期のゴールは、単なる1ゴール以上の意味を持つ。厳しい競争環境で自らの価値を証明し、チームやファンからの信頼を勝ち取る大きな一歩となった。彼らの活躍は、日本サッカーのレベルの高さを世界に示し、若い世代に夢と希望を与えている。欧州5大リーグへの挑戦が増える中、デビュー戦や移籍後早期のインパクトは、成功への鍵を握るだろう。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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