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元新潟DF稲村隼翔、セルティックで飼い殺しへ。“獲得の裏側”暴露される

稲村隼翔 写真:Getty Images

 アルビレックス新潟からスコットランド1部セルティックへ完全移籍したばかりのDF稲村隼翔は、ブレンダン・ロジャーズ監督から構想外扱いを受けている模様。移籍ウィンドウ最終日には、日本代表FW古橋亨梧、MF岩田智輝、MF藤本寛也ら擁するイングランド2部バーミンガム・シティへ移籍する可能性が報じられていたものの実現には至らず、セルティックで飼い殺しとなる見込みだ。

 稲村の去就を巡っては、8月にUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の登録メンバーから外れると、ロジャーズ監督は21日に「(稲村を今季の構想から外した決断は)とても簡単だった。彼はまだ私が期待するレベルに達していない」などとコメント。あわせて期限付き移籍の可能性を示唆していた。

 その後、同選手は23日のスコットランド1部リーグ第3節・リヴィングストン戦でデビューし、安定感抜群のパフォーマンスでチームの勝利に貢献。しかし、英紙『デイリーレコード』は「ロジャーズ監督は彼のパフォーマンスに不満」とした上で、「稲村は他クラブへの移籍が可能になった。セルティックはトランスファールームで各クラブに稲村の現状を伝えているほか、(獲得を目指すクラブに対して)同選手の給与負担を求めている」と報じていた。

 英メディア『フットボールリーグ・ワールド』では移籍ウィンドウ最終日の9月1日、バーミンガムがレンタルでの稲村獲得を検討していると報じられたが、結局古橋らとのコンビ結成は幻に終わっている。

 その稲村は新潟時代に本職のセンターバックでプレーしていたが、セルティック加入後は左サイドバックでDFキーラン・ティアニーやDFリアム・スケールズとポジション争いを展開。8月末にアルゼンチン1部ボカ・ジュニアーズから元ウルグアイ代表DFマルセロ・サラッキが加入したことにより、さらなる序列の低下が予想されるだけに、トップチームで出場機会を得られない可能性は十分考えられる。

 なお、現地メディア『PLZサッカー』は2日、セルティックの補強戦略について特集。稲村の獲得について「彼の獲得は、ロジャーズ監督が望んでいたものではない。クラブの筆頭株主であるダーモット・デズモンド氏による独断だ」と伝えている。現場と一部株主との意見に乖離があることが、日本人有望株の将来に大きな影響を与えたとみられる。