
シーズンの3分の2を過ぎ、中盤戦から終盤戦へと突入している2025明治安田J2リーグ。ここまでは、昨季15位と低迷していた水戸ホーリーホックが首位を走り、それを勝ち点4差でジェフユナイテッド千葉(昨季7位)とV・ファーレン長崎(昨季3位)が追う展開となっている。
例年最後までもつれるJ1昇格プレーオフ圏争いも熾烈だ。3位の長崎から9位のサガン鳥栖までの勝ち点差はわずかに5と、今季も先の読めない展開が続いている。また下位では、昨年はなんとか残留を果たした愛媛FCやプレーオフ圏を争ったレノファ山口が苦戦を強いられている。
さらに今季は、6月の特別移籍期間や夏の移籍市場を経て、上位を中心に戦力アップを図ったクラブも複数ある。その一方で、J1クラブへの個人昇格などで主力を欠いたクラブも少なくない。ここでは、今夏の移籍で戦力ダウンが心配なクラブを3つ、ランキング形式で紹介していく。

3位:ベガルタ仙台
今夏のOUT選手
- 實藤友紀(カターレ富山に完全移籍)
- 西丸道人(カマタマーレ讃岐へ期限付き移籍)
- 梅木翼(ブラウブリッツ秋田へ期限付き移籍)
- オナイウ情滋(横浜F・マリノスへ完全移籍)
- 名願斗哉(川崎フロンターレへ復帰)
昨季のベガルタ仙台は、最終節までJ1昇格プレーオフ圏争いに加わり、最終的に6位でプレーオフへ進出。プレーオフ準決勝では3位の長崎を敵地で破ったものの、決勝でファジアーノ岡山に敗れて昇格を逃した。森山佳郎監督の就任初年度は確かな手ごたえを掴み、さらなる飛躍を目指して臨んだ今シーズンも現在6位につけ、自動昇格圏を視野に入れながら終盤戦に突入している。
しかし、夏の移籍によって戦力面ではやや不安要素もある。6月の移籍期間では、今季J3初参戦の高知ユナイテッドで得点を量産していたFW小林心を完全移籍で獲得。さらに7月には、川崎フロンターレからMF山内日向汰が期限付きで迎え入れるなど補強を行った。
一方で、途中出場がメインではあるが13試合に出場していたMF名願斗哉が期限付き移籍を解除し川崎へ復帰。12試合出場のFW梅木翼もブラウブリッツ秋田へ期限付き移籍し、ベンチも含めた選手層という意味では薄くなった感がある。さらに最も痛手と言えるのが、MFオナイウ情滋の横浜F・マリノスへの個人昇格だ。その高い突破力と精度の高いクロスで、今季17試合2ゴール3アシストとチャンスを作り出していた成長著しい選手を失っている。
必ずしも絶対的な主軸が流出したわけではないが、まだまだ長いリーグ戦を戦い抜く上で貴重な戦力を手放したことに変わりないことから評価を3位とした。他の上位勢が積極的な補強に動いていることも含め、今夏の移籍が最終的な順位争いの行方を左右しかねないだけに、今後のチームへの影響が気がかりだ。
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