Jリーグ

2025戦国J2リーグ。悲願のJ1昇格を果たすのはどのクラブか

徳島ヴォルティス(左)RB大宮アルディージャ(中)水戸ホーリーホック(右)写真:Getty Images

3週間のサマーブレイクに突入したJ2リーグ。7月12日の第23節を終え、再開は8月2日と3日の第24節。混戦が続く中、25シーズン連続でJ2に所属する水戸ホーリーホックが、まさかの首位で折り返す波乱の展開となっている。

現在9位のヴァンフォーレ甲府が勝点32であることから、昇格争いは実質的に上位8クラブに絞られたと仮定し、J1自動昇格(1・2位)を決めるのはどこか、そして昇格プレーオフ(3〜6位)に滑り込むのはどのクラブか。各クラブの強み・弱点・注目選手・戦術的特徴を多角的に掘り下げていく。


2025シーズンJ2リーグ:第23節終了時点上位8クラブ

まずは、中断前の上位8位までの順位は以下の通り。首位と8位の勝ち点差はわずか10と稀に見る大混戦だ。

  • 1位:水戸ホーリーホック(勝ち点48)
  • 2位:ジェフユナイテッド市原・千葉(勝ち点41)
  • 3位:ベガルタ仙台(勝ち点41)
  • 4位:サガン鳥栖(勝ち点39)
  • 5位:RB大宮アルディージャ(勝ち点38)
  • 6位:徳島ヴォルティス(勝ち点38)
  • 7位:ジュビロ磐田(勝ち点38)
  • 8位:V・ファーレン長崎(勝ち点38)

※5位~8位は得失点差による


水戸ホーリーホック 写真:Getty Images

水戸ホーリーホック

攻守のバランスと若手の台頭で初のJ1昇格なるか

7月12日時点で、水戸は14勝6分3敗。リーグトップの得点36に加え、失点は17と、2番目の少なさを誇る。第13節から第20節にかけては、クラブ史上初となる8連勝を記録し、首位に浮上。2位千葉に勝点差7をつけて頭ひとつ抜け出す展開だ。

リーグ戦での直近の黒星は、4月5日の第8節千葉戦(1-2/フクダ電子アリーナ)までさかのぼる。1点差勝ちが9試合、完封試合は11試合(スコアレス含む)と、際どい試合をものにする勝負強さが光る。

森直樹監督が構築する【4-4-2】の組織的な守備はソリッドで、攻撃では今季加入のFW渡邉新太が10得点で得点王レース首位タイと好調だ。

ホーム・アウェイともに勝率60%前後と安定したパフォーマンスも魅力な水戸。中断明けも連勝が続くようであれば独走すら予想されるが、FWとDFのある程度の固定起用が続く中で、後半戦のポイントは、主力の連戦によるコンディション管理となるだろう。


ジェフユナイテッド千葉 写真:Getty Images

ジェフユナイテッド市原・千葉

守備の改善と攻撃力アップで逆転を狙う

1993年のJリーグ創設メンバー「オリジナル10」でありながら、2009シーズンにJ2に降格して以来、J2で16シーズン目を戦っている千葉。一時はJ2でも2桁順位となる暗黒期も経験したが、今季は開幕6連勝で一気に波に乗り、序盤戦は首位を独走した。

しかし第16節から第22節まで7試合白星なしと、その間に3連敗するなど勢いは小休止。7月12日の第23節モンテディオ山形戦(NDソフトスタジアム/1-0)で約2か月ぶりの勝ち点3を奪い、いい形でサマーブレイクに入った。

33得点・21失点で、得点はリーグ3位タイ、失点はリーグ4位と攻守のバランスも良く、メンバーを変えながらも結果に繋げていることで、選手層の厚さもアドバンテージとなろう。チーム得点王は今季ロアッソ熊本から加入したFW石川大地(7得点)だが、決して彼頼みのチームではなく、J1清水エスパルスを契約満了後フリーで加入したブラジル人FWカルリーニョス・ジュニオも、いち早くチームに溶け込み5得点を挙げている。守備陣で今季、セレッソ大阪から加入したDF鳥海晃司がリーダーシップを発揮している。

課題があるとすれば、連敗癖がある点(今季2度の連敗)と、アウェイでの勝率(46%)が悪い点だろうか。

Previous
ページ 1 / 3

名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

筆者記事一覧