
スコットランド1部のスコティッシュ・プレミアシップに所属するセルティックは、近年、有望な選手の獲得先として日本を重視しており、毎シーズンJリーグから新加入選手の噂が絶えない。
2025年夏の移籍市場においてもJ1のアルビレックス新潟からDF稲村隼翔が同クラブへ加入し、プレシーズンマッチで見せたスキルフルなプレーで、ブレンダン・ロジャーズ監督から早くも高評価を得ている。ほかにも、川崎フロンターレのFW山田新が同クラブへ移籍するとの情報が連日報じられており、今後の動向から目が離せない状況だ。
セルティックには現在、稲村の他に2名の日本代表選手が在籍しているが、今までも数々の日本人選手が緑と白の伝統的なユニフォームに袖を通してきた。成功を掴んだ者もいれば、残念ながら実力を発揮できずに去った選手もいる。ここでは、これまでセルティックでプレーした日本人選手8名を紹介していく。

井手口陽介
在籍期間:2022-2023
出場試合数:6
得点:0
セルティック時代は怪我に悩まされたMF井手口陽介。2022年1月にJ1のガンバ大阪からセルティックへ移籍したが、カップ戦での先発デビュー戦で負傷し約1か月の離脱を余儀なくされた。
加入当初は、当時のアンジェ・ポステコグルー監督に中盤のバックアッパーとして期待されたが、怪我から復帰後もプレースピードに中々適応することができなかった。現地サポーターの記憶に残らない選手だったと言っても過言ではないだろう。
J1のアビスパ福岡への期限付き移籍も経験しながらセルティックを2シーズンで退団し、2024年にヴィッセル神戸へ移籍。現在では神戸の中心選手として活躍している。

小林友希
在籍期間:2023-2024
出場試合数:7
得点:0
井手口と同様、DF小林友希もグラスゴーに適応できなかった。ポステコグルー監督に見いだされたものの、結果としてこの移籍はうまくいかなかった。ヴィッセル神戸のアカデミーで育った小林は、2018年4月に神戸のトップチームでプロデビュ。町田ゼルビアや横浜FCへの期限付き移籍も経験し、2021年に神戸へ復帰している。
同年はリーグ戦で22試合に出場すると、ベストヤングプレーヤー賞の候補に名を連ねた。その活躍から、セルティックへの完全移籍が決定する。加入初年度となった2022/23シーズンは公式戦7試合に出場したが、翌シーズンにブレンダン・ロジャーズ監督が就任すると構想外に。
2024年8月24日にポルトガル2部のポルティモネンセへ移籍し、25試合に出場している。この活躍が認められ、2025/26シーズンからはポーランド1部のヤギエロニア・ビャウィストクへの移籍が決定している小林。セルティックでは苦い思いを経験したが、欧州の地で確実に経験を積み重ねている。

水野晃樹
在籍期間:2008-2010
出場試合数:12
得点:1
水野晃樹(2024年引退)は労働許可の申請が一度却下され、セルティックへの移籍が頓挫しかけたが、当時のゴードン・ストラカン監督(2005-2009)による異例の控訴手続きにより、2008年1月に無事加入が実現した。
2007/08シーズンはトップチームで1度もプレーできずに終わり、翌2009/10シーズンにデビューを果たした。同シーズンの初先発となったファルカーク戦では、後半アディショナルタイムに約40m独走して初ゴールを決めたが、同シーズンの出場は公式戦は2試合のみにとどまった。
セルティック在籍期間の2年半で、怪我による膝の手術を2度行うなど思う様な活躍が出来ず、2010年6月に当時J2の柏レイソルに移籍した。

岩田智輝
在籍期間:2023-2024
出場試合数:42
得点:1
現在EFLチャンピオンシップ(イングランド2部)に昇格したバーミンガム・シティの中心選手として活躍しているMF岩田智輝。彼のセルティック移籍は、今となっては成功と呼べるのではないだろうか。
セルティック在籍時の岩田は、チームの求めるスタイルにプレーが噛み合わなかった印象を受けた。決して不要な選手ではなかったが、レギュラー争いで苦戦していたのは否めない。それでも42試合に出場し1ゴール3アシストを記録したほか、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)への出場など、日本にいては経験できなかったキャリアを築いたのも事実だ。
2024年に当時EFLリーグ1(イングランド3部)所属のバーミンガムへ移籍。リーグ優勝を果たしカテゴリーを上げ、2025/26シーズンはプレミアリーグへの昇格を懸けた戦いに臨むこととなった。結果として、自らの力でより高いレベルへの挑戦権を掴み取っている。
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