Jリーグ 湘南ベルマーレ

湘南ベルマーレ、難敵アビスパ福岡に善戦も課題山積み。攻守の問題点は

大野和成 写真:Getty Images

攻撃配置にも気になる点が

3センターバックの両脇の選手が自陣後方タッチライン際でボールを受ける、またはウイングバックの選手がこの位置へ降りてボールを受けたり、受けようとしたりする。これにより湘南のビルドアップ(GKや最終ラインからのパス回し)が淀むケースが一昨年から散見されており、この試合も例外ではなかった。

前半16分の湘南の攻撃シーンがこの最たる例で、ここではセンターバックの大岩が自陣後方タッチライン際でボールを受けたため、福岡のMF見木に寄せられている。これにより大岩は前方へのパスコースを失い、味方GK上福元へのバックパスを余儀なくされた。

上福元のパスを受けた大野(センターバック)がペナルティエリアの横幅からはみ出た位置、これに加えDF畑大雅(左ウイングバック)も自陣後方タッチライン際で福岡陣営のプレスを浴びたため、大野としては前方へのロングパスしか選択肢がない状態に。このロングボールを秋野に回収されたうえ、福岡のサイド攻撃を浴びた。

3センターバックがペナルティエリアの横幅に収まる立ち位置をとり、なおかつウイングバックが相手サイドハーフとサイドバックの間、もしくは相手ウイングバックの手前に立つようになった昨夏以降は湘南のパス回しが安定。センターバックが中央と左右、どの方面へもパスを出せる状況を常に作ることで、相手の守備の出足を鈍らせていた。ビルドアップが上手くいっていた昨夏以降の攻撃配置を思い出す。これこそ、湘南が今やるべきことだ。

サイドチェンジのパスを正確に繰り出せるMF鈴木雄斗が福岡戦でベンチスタートとなったため、この試合では特に相手のプレスを掻い潜るのに苦労している。同選手のロングパスや鈴木淳之介の力強いドリブルは湘南にとって強力な武器であるものの、同クラブがJ1残留争いの常連から脱却するためには、彼らのスキルに依存しないビルドアップを構築する必要がある。そのためにも、昨夏以降の攻撃配置を思い出したいところだ。

(※)本記事の試合時間は、1分以内の秒数を切り上げて表記。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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