日本代表 女子サッカー

なでしこ、新監督下でも見られた攻撃配置の悪さ。コロンビア戦を検証【現地取材】

古賀塔子 写真:Getty Images

古賀が語った立ち位置の難しさ

試合後に報道陣の囲み取材に応じた古賀は、右サイドの攻撃配置に言及。俊足で縦方向への突破が持ち味の清家貴子とコンビを組むにあたり、自身の立ち位置を定めるのに苦労したことを明かしてくれた。

「(右サイドバックの)自分がサイドへ開きすぎると、貴子さんと縦関係になるというのを分かったうえで、自分が内側にポジションをとったのですが、それによって自分が相手に睨まれる(捕捉される)形になりました。貴子さんが内側に入って、自分がサイドに張ったほうが上手くいくかなという思いがあったなかで、後半はタイプの違う選手が入ってきました。理子さん(FW植木理子)が内側に立ち位置をとってくれたので、自由に攻撃できたと思います」

また、古賀は筆者の質問にも応じ、自身の見解を口にしている。ウイングFWのみならず、自身の後方に立つ味方センターバックとの距離感も気にしていたようだ。

ー古賀選手の立ち位置が低すぎるがゆえに、相手のウイングFWのプレスをもろに浴びそうな構図になっているように見えました。立ち位置の高さについてはどのように考えていましたか。

「自分が高い位置をとりすぎると、貴子さんがサイドに開いていましたし、紗希さん(センターバックのDF熊谷紗希)がボールを持ったときにパスの出しどころが無くなると思いました。自分だけでなく、周りの選手ももっと動きながらパスコースを作れたら良かったと思います」

ー左サイドバックの北川選手だけが高い位置をとり、4バックの残り3人で3バックを作りながら攻撃する場面がありました。この配置が一番やりやすそうに見えたのですが、いかがでしたか。

「自分は元々センターバックの選手なので、サイドに張ってドリブルを仕掛けるよりかは、内側に立ってパスを繋ぐ形でビルドアップするのが得意です。(北川)ひかるさんを上げて3バックみたいにするのは、紗希さんと(南)萌華さんとも話して、そのような立ち位置をとりました」

古賀のコメントを踏まえると、同選手をサイドの高い位置に立たせるならウイングFWを内側に立たせ、且つセンターバックと古賀の間にインサイドハーフを降ろす。これにより古賀が懸念していたセンターバックとサイドバック間が開きすぎる現象を回避でき、タッチライン際で自身とウイングFWが縦関係にならない。北川だけを上げる形に加え、この隊形変化も徹底すべきだろう。


南萌華 写真:Getty Images

クロス対応の甘さを突かれ失点

前半29分に籾木が敵陣ペナルティエリア内でDFメアリー・ホセ・アルバレスに押し倒され、PKを獲得したものの、籾木のキックは相手GKキャサリン・タピアに阻まれる。先制のチャンスを逃したなでしこジャパンは同35分に自陣ペナルティエリア付近での守備が緩み、相手MFベドヤのクロスボールからFWカルラ・トーレスのヘディングシュートを浴び失点した。

センターバックの南も試合後に筆者の取材に応じ、失点シーンを振り返っている。クロスボールを送った選手への寄せや、ペナルティエリア内でのマークのずれを課題に挙げていた。

「(失点シーンは)相手のスローインから始まって、自分がペナルティエリアの中を見たときには2人の相手選手に塔子と紗希さんがマークにつけていたので、自分がニアサイドのスペースを埋めるという認識でした。でもボールが下がったとき(相手のバックパス時)に少しマークのずれが生まれてしまいました。映像を見ながらディフェンスラインの選手ともう一度話す(マークの確認をする)のもそうですし、ボールホルダーへのプレッシャーに行けてなかったのも課題のひとつだと思います」

後半アディショナルタイムに放たれた途中出場のMF松窪真心のシュートが、ペナルティエリア内にいた相手選手のハンドの反則を誘い、なでしこジャパンがこの試合2度目のPKを得る。同じく途中出場のDF高橋はながこのキックを成功させ、なでしこジャパンが辛くも引き分けに持ち込んでいる。この試合で浮き彫りになった攻撃面の課題を、次戦以降に改善したいところだ。

(※)本記事の試合時間は、1分以内の秒数を切り上げて表記。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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