プレミアリーグ

プレミアリーグ、ロンドン拠点の7クラブで最強なのはどこ?

アーセナル 写真:Getty Images

ロンドン勢、2024/25シーズン対戦成績順位

ではここで、ロンドン勢のみの今シーズンの対戦成績に基づいた順位表を見てみよう(プレミアリーグ第31節終了時点)。

  • 1位:アーセナル(勝ち点28)/プレミアリーグ2位
  • 2位:チェルシー(勝ち点23)/プレミアリーグ4位
  • 3位:フラム(勝ち点20)/プレミアリーグ8位
  • 4位:ブレントフォード(勝ち点17)/プレミアリーグ12位
  • 5位:トッテナム・ホットスパー(勝ち点14)/プレミアリーグ14位
  • 6位:ウェストハム・ユナイテッド(勝ち点12)/プレミアリーグ16位
  • 7位:クリスタル・パレス(勝ち点8)/プレミアリーグ11位

上位2クラブのアーセナルとチェルシーは実力通りの数字を残し、ほぼプレミアリーグの順位表通りの序列となっているが、3位のフラムはロンドン勢との戦いで健闘していることがわかる。

フラムはリーグ首位のリバプールに対しても1勝1分けの好成績を残している。まだチェルシー戦とブレントフォード戦を残しているとあって、そこで勝ち点3を拾えれば、欧州カップ戦出場もグッと近付いてくるだろう。

今シーズン苦戦しているトッテナムとウェストハムは、ロンドンの他クラブから勝ち点を拾えていないことが、順位にそのまま表れている。ロンドン勢との対戦では、トッテナムが2試合(ウェストハム戦、クリスタル・パレス戦)、ウェストハムが1試合(トッテナム戦)を残しているが、ここを落とせば「降格」もチラついてくる。

ロンドン勢との戦いを苦手としている日本代表MF鎌田大地を擁するパレスは“安全圏”にいるものの、アーセナル戦とトッテナム戦を残しており、上位争いと残留争いを引っ搔き回す存在となり得る状況だ。

特にトッテナムは2019年開場のトッテナム・ホットスパー・スタジアム(62,850人収容)を、ウェストハムはロンドン五輪メイン会場として建設され2011年に開場したロンドン・スタジアム(62,500人収容)といった巨大スタジアムをホームにしているとあって、2部降格など許されない。


ミケル・アルテタ監督 写真:Getty Images

ロンドン勢の監督人事にも注目

現状、ロンドン最強クラブは、3シーズン連続リーグ2位が濃厚となっているアーセナルということになるが、3シーズンぶりに欧州カップ戦出場権を得られそうなチェルシーが、来シーズンその立場を逆転させる可能性もあるだろう。そこで鍵を握りそうなのが監督人事だ。

既にアーセナルで2019/20シーズンからの長期政権を敷いているミケル・アルテタ監督に対し、来シーズンのチェルシーを占う上で重要なファクターとなるのが、45歳の青年エンツォ・マレスカ監督をフロントが信頼し続けられるかどうか。同監督は今シーズンまで、2部(EFLチャンピオンシップ)に降格していたレスター・シティの監督として1年でのプレミアリーグ復帰とリーグ優勝に導いた経験しかなかった。

さらに、更迭の噂も囁かれているポステコグルー監督をトッテナムが続投させるのかにも注目だ。

欧州のサッカーリーグを見渡しても、1つの都市のクラブだけで全体の3分の1を占める例など見当たらず、その都市だけで順位表が作れることなどロンドンならではだ。さらに言えば、それだけクラブがありながらも、優勝クラブとなると2016/17シーズンのチェルシー以来出ていない(同シーズンの2位はトッテナム)。プレミアリーグの奥深さを示しており、面白いところだ。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ、現在のお気に入りはシャビ・アロンソ率いるバイヤー・レバークーゼン

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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