
現代サッカーにおいて、GKの評価軸が大きく変わりつつある。かつては経験や実績がものをいうポジションであったが、現在のシーンで最も注目を集めているのは、年齢が若く将来性に富み、なおかつ足元の技術に優れた守護神たちだ。
戦術の進化によりGKもビルドアップの一員として扱うチームが増え「ただシュートを止めるだけでは不十分」という考え方が定着しつつある。加えて、移籍市場では転売価値を見越した若手への投資が活発になっており、ビッグクラブでの実績がなくても高く評価されるケースが目立っている。
今回は『Transfermarkt』のデータをもとに、そうした現代的な評価基準を反映した”市場価値の高い”GK6人を紹介する。今後数年で主役に躍り出るのは誰か。答えはこのリストの中にある。(市場価値と為替は3月24日時点)

2位タイ:マイク・メニャン(ACミラン)
市場価値:約56億5,502万円
フランス代表の正守護神であるGKマイク・メニャンは、近い将来ステップアップ移籍を果たすと見られている有力選手の一人だろう。
フィジカルの強さとメンタルの安定感を備えた実力派GKであり、ここ数年にわたってこのポジションで常に上位の評価を受けてきた。2021年にセリエA(イタリア1部)のミランへ移籍したこと自体が大きなステップではあったが、現在29歳と選手として脂の乗った時期に差しかかっており、さらなる飛躍のタイミングを迎えている。2026年に契約満了を控えていることから、早ければ次の移籍市場で動きがあるかもしれない。

2位タイ:グリエルモ・ビカーリオ(トッテナム・ホットスパー)
市場価値:約56億5,502万円
プレミアリーグ(イングランド1部)のトッテナム・ホットスパーの守護神であるイタリア代表GKグリエルモ・ビカーリオは、昨2023/24シーズンにセリエAのエンポリ(2021-2023)から加入したばかりにもかかわらず、チームが5位フィニッシュする中でリーグ戦全試合に出場するなど脚光を浴びた。
若い頃はイタリア国内で複数のクラブへのレンタル移籍を経験しながら出場機会を待ち続けていたが、イングランドの地に渡ってからはその実力を発揮し、優れた反射神経を持つシュートストッパーとして高い評価を得ている。
今2024/25シーズンは足首を負傷し第12節終了後に手術を行ったが、そこから2ヶ月弱という短期間で驚異的な回復を見せ第25節に復帰し、マンチェスター・ユナイテッド相手にクリーンシートを達成。1-0の勝利に貢献した。復帰後はチームの守備陣に安定感を与えており、その実力を証明している。

2位タイ:ジャンルイジ・ドンナルンマ(パリ・サンジェルマン)
市場価値:約56億5,502万円
16歳で名門ミランのトップチームデビューを果たしたイタリア代表GKジャンルイジ・ドンナルンマは、若くして高い注目を浴び、その後のキャリアが約束された存在として見られてきた。現在26歳となり、リーグ・アン(フランス1部)の名門パリ・サンジェルマン(PSG)でのプレーも4シーズン目に突入したが、昨シーズンから今シーズン序盤のパフォーマンスにおいては好不調の波が目立つようになっていた。
不安定さが続いたことで、代表戦でもビカーリオに正守護神の座を奪われる時期もあったが、イタリア代表のキャプテンとして現在はチームを牽引している。
PSGとの契約は2026年6月末までとなっており、クラブの欧州での立ち位置を考えれば、さらなるビッグクラブへの移籍が彼のキャリアにとってプラスになるのは間違いないだろう。残留か移籍か。2025年夏の移籍市場を賑わせるのは間違いない。
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