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英3部バーミンガム岩田智輝、PK奪取で勝利に貢献!首位維持【現地取材】

岩田智輝 写真:Getty Images

 イングランド3部、EFLリーグ1の第36節が日本時間3月9日に行われ、MF岩田智輝が所属するバーミンガム・シティはホームでリンカーン・シティと対戦。1-0で勝利し首位を堅持した。試合後の岩田のコメントを含め、現地での様子をお伝えする。

 バーミンガムは今2024/25シーズン、これまでリーグ戦23勝3敗7分の勝ち点76と圧倒的な成績を残しており、2試合未消化ながらも2位と勝ち点9差をつけて首位を快走している。

 同試合、岩田は【4-2-3-1】のダブルボランチの一角で先発出場。韓国人MFのペク・スンホと「日韓ボランチ」を形成する岩田はアンカーの位置で守備の要を務めつつ、ボールを的確に左右に展開し攻撃のスイッチを入れる。30分には後方からするすると前線に上がると相手DFラインの裏に抜け出し、ペナルティエリア内でフリーでボールをもらう絶好のチャンスを演出。惜しくも肩トラップが大きくなり相手GKにキャッチされてしまうが、攻守にわたって存在感を示した。

 12位に位置する中堅クラブのリンカーンに対し、高い支配率で試合を支配するバーミンガムだが、ゴールをこじ開けることができない。後半に入ってもサイド攻撃を中心に攻勢を強めるバーミンガムは69分、味方からのクロスボールが相手選手にブロックされ、岩田がペナルティエリア内でこぼれ球を拾ったところで相手DFからファールを受け、PKを見事獲得。バーミンガムが無事にPKを決め、試合をリードする。

 80分には岩田がペナルティエリアの外からミドルシュートを放つもボールは枠の外へ。この後バーミンガムは追加点を奪えなかったものの、1-0で終了。岩田は攻守にわたって勝利に大きく貢献した。

 現地紙『バーミンガム・ライブ』は、岩田に7.5の高評価を与えた上で「中盤の正しい位置でボールを的確に拾った。シュート!と叫ぶ観客に対して代名詞となったロングシュートも見せて黙らせた」と岩田のポジショニングの良さを評価。

 試合後、岩田は「自分たちが思うようにゲームは動かせたものの、最後に点を決めるクオリティという点では後半まで得点できなかったのは課題だと思います。クロスのこぼれ球を拾ってシュートやクロスを意識して欲しいと言われていたので、良いポジションにいられてよかったです」と、PKを獲得した場面について振り返った。

 首位のバーミンガムに対して引いて守るチームが多い中、「相手がプレッシャーにきてもボールを動かしてビルドアップできる自信はあります。相手が引いた中でクロスを入れたり、ミドルシュートを打つなどが僕らの強みですので、今日みたいに1-0となったゲームも3-0、4-0としていくことができるのかなと思います。ゴールまでの形は日頃の練習でトレーニングしているので、相手がどんなフォーメーションだとしてもそれに応じた崩し方を持つようにしています」と、攻撃戦術の多さを明かした。

 その上で、「ここまで(今2024/25シーズンから就任したクリス・デイビス)監督のやりたいサッカーを体現できていると思いますし、もっと求められている。簡単にボールは蹴らないですし、プレミアを目指す上でこれくらいのレベルのサッカーは当たり前にやっていかないといけない。(2部の)チャンピオンシップも簡単じゃないと思いますし」と、プレミアリーグ昇格に向けてすでに岩田は目を向けている。

名前:Shun Ide
趣味:サッカーのプレイと観戦、サカナクション、料理研究、犬の芸仕込み
好きなチーム:川崎フロンターレ、コヴェントリー・シティFC

イギリス在住。イングランドのフットボール情報を現地からお届けします。

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