
東京V、国立競技場での清水戦では圧倒的優位
対する東京Vは昨シーズン、昇格組でありながらもJ1で6位という素晴らしい成績を残した。
今冬は、背番号10を背負ったMF見木友哉がアビスパ福岡に、MF山田楓喜がCDナシオナル(ポルトガル)に移籍。レンタル選手だったFW木村雄大、FW山見大登、FW染野唯月、DF林直輝の完全移籍への移行に注力したため、チーム力をアップさせるほどの新戦力獲得はならなかった。
一方、ジュビロ磐田からパリ五輪代表のDF鈴木海音、テクニシャンのMF平川怜に加え、左サイドでの突破力が武器のMF福田湧矢がG大阪から加入するなど、派手さはないものの渋い補強が目に付いた。
就任4シーズン目を迎える城福浩監督は、ピッチ内外でリーダーシップを発揮する主将のMF森田晃樹を中心に、昨季のチームをベースに戦うものと予想される。
完成度の高さはアドバンテージである一方、“現状維持”の道を選んだ印象は否めず。昨季以上の成績を残すには、東洋大学卒のMF新井悠太や、明治大学卒のFW熊取谷一星といったルーキーのブレークが待たれる。育成に定評のある城福監督だが、新人選手の伸びしろを戦力に組み込むにはある程度の時間が必要だろう。
MFチアゴ・アウベスの退団によって外国籍選手がGKマテウス1人となり、フィールドプレーヤーは全員日本人となった東京V。【3-5-2】のフォーメーションを基本とし、若さ溢れるイレブンが見せる躍動感のあるサッカーが魅力だが、研究され負けが込み出した時、誰がどのようにリーダーシップを取りリカバリーさせていくのか、城福監督は“プランB”を持っているのか。
ヴェルディ川崎時代から国立競技場での清水戦では6勝3敗1引き分け(3敗のうち2敗はPK戦)という圧倒的優位を誇る東京Vだが、そんな舞台でつまずけばこの1敗を引きずりかねない。開幕戦であると同時に、東京Vにとっては今季を占う上での試金石でもあるのだ。
急遽『BS松竹東急』で、両チームのレジェンドである北澤豪氏と森岡隆三氏のダブル解説による無料生中継も決定した東京V対清水。両チームともにネガティブな側面ばかり挙げてしまったが、これは過熱気味の期待感の裏返しでもある。
今季を占うという意味では大阪ダービーや町田対広島には及ばないかも知れないが、創立当初からのJリーグファンであれば、“古豪”同士のこの対決も見逃せないものとなるはずだ。
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