
今2025シーズンからJ2を戦うサガン鳥栖は2月6日、MF福田晃斗との契約を双方合意のうえで解除したことをクラブ公式HPで発表した。ニュースサイト『NEWSポストセブン(小学館)』が1月21日に福田の不倫と相手女性の中絶トラブルを報じ、福田はこれを受けて活動自粛処分中だった。
福田は2013年に鹿屋体育大学在学中にJ1サガン鳥栖に特別指定選手として登録され、2015年に正式入団。J1湘南ベルマーレに移籍する前年の2019年までは主将も務めた。私生活では2016年、福岡を拠点に活躍するローカルタレント大戸千絵氏と結婚し、2人の子どももいる。しかし、「5年ぶり2度目の女性トラブル」という見出しで報じられたように、福田の女癖の悪さは、サッカー界では有名だった。
ここでは、福田のトラブルの詳細を追うと共に、特にプロ野球界と比較して明らかな差がある日本サッカー界のスキャンダル対応と現状について考察する。

福田の再三の女性トラブル
2020年11月、湘南に所属していた福田はチームの後輩の妻に「パンツちょうだい」などといった卑猥な内容のLINEを送り、その後輩選手がクラブに被害を訴えた。その1週間後、福田はJ2アルビレックス新潟へ移籍を余儀なくされた。
当時、この件とは別に、アルビレックス新潟のFWファビオ(2022年引退)による酒気帯び運転や、ベガルタ仙台MF道渕諒平(現FKスメデレヴォ1924/セルビア)による女性への暴力が発覚し、いずれも逮捕され契約解除に至った不祥事が続発。当時のJリーグチェアマン村井満氏(現日本バドミントン協会会長)は、全クラブに対しコンプライアンスの遵守を徹底させるよう異例の声明を出すに至った。
福田は2022年に古巣の鳥栖に復帰すると中心選手として活躍。しかしチームは2024シーズン、J1最下位の20位で、初昇格から12年間守り続けてきたJ1から初降格。今季1年でのJ1復帰を目指して小菊昭雄新監督を迎え、2月15日のJ2開幕戦・ベガルタ仙台戦(駅前不動産スタジアム)へ向けて総仕上げとなる大事な時期に水を差された格好だ。
今年5月に33歳を迎える福田。自身のInstagramで謝罪と同時に現役続行の意思を表明したが、応援する声はわずかで、ほとんどが厳しい声で埋め尽くされている。
“再犯”とあって、福田が日本国内でサッカー選手として活動することはほぼ不可能だろう。前述の道渕は事件後、韓国2部の忠南牙山FCに活躍の場を求めたが、現地の女性団体が抗議デモを行い、クラブもこれに屈する形でたった3か月で退団となった。
“札付き”となった福田の獲得に動く海外クラブがすぐに現れるとも思えず、現実的に考えて福田が選手を続けるには、相当なマイナー国への移籍を覚悟しなければならないだろう。もちろん、福田がしたことは許されるものではない。今回の中絶トラブルも、湘南在籍時のセクハラ行為も女性蔑視を通り越して、その性癖は気持ち悪さすら感じさせ、もはや“つける薬無し”といった印象だ。

プロ野球界の女性スキャンダルと対応
福田の報道とほぼ同時期に、元乃木坂46の衛藤美彩を妻に持つプロ野球・西武ライオンズの源田壮亮内野手の不倫疑惑が『週刊文春』により報じられた(小学館の媒体から発せられたニュースが発端だった)。
源田はキャンプ入りを前にした1月12日に謝罪会見を行い、自らの不倫を認めるとともに謝罪。これに対し球団側は、「家庭内での問題」としお咎めなしとした。
昨年末から今年にかけ、源田に加え、横浜DeNAベイスターズの東克樹投手、広島東洋カープの田中広輔内野手、東北楽天ゴールデンイーグルスの小深田大翔内野手が、次々と“文春砲”を浴び不倫を暴露されている。しかし、何らかの処分が下されたという話は聞かない。何事もなかったかのように、キャンプに参加しグラウンドに立ち続けている。
2023年、当時西武ライオンズの主砲だった山川穂高内野手に至っては、強制性交容疑で書類送検され球団側も無期限の出場停止処分を科したが、嫌疑不十分で不起訴となるとすぐに処分を解かれた。にも関わらず、その年のオフに山川はFAで福岡ソフトバンクホークスに移籍。ライオンズファンから“恩知らず”と大ブーイングを浴びる中、本塁打と打点の2冠に輝き、ホークスのパ・リーグ制覇に大きく貢献した。
程度の差こそあれ、これらは全て女性スキャンダルであり、山川に至っては性犯罪だ。福田の件に比べて、プロ野球界はなぜこれほどまでに甘いのだろうか。
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