
スタメン組とのクオリティ差
一方で、後半には課題も見つかった。70分にMF島村拓弥、MF白井永地、MF渡井理己、DFジエゴ、FW垣田裕暉を一気に投入した柏。以降、前半と比べ攻撃は停滞気味だった。FW垣田が相手の最終ラインと駆け引きする動き出しやボールキープ力を見せつける良い場面もあったが、安易なボールロストからあわや大ピンチを招きそうな場面や、味方同士でパスのズレが目立つシーンも。控えの選手達は戦術理解度や連携力を高めることが急務であり、この問題点解消がチーム力の底上げに繋がるだろう。

課題が山積みの千葉
一方0-3で完敗した千葉は、試合を通じて相手の前線のプレーヤーに簡単に前を向かせてしまう場面や、自陣ゴール前で相手をフリーにさせてしまうシーンのほか、寄せの甘さなど守備面における緩さが目立った。なかでも気になったのが2点目を奪われたシーン。千葉の自陣ペナルティエリア外で献上した柏のフリーキック、素早いリスタートで相手に完全フリー状態でパスを握られてしまい、そのままあっさり得点を許してしまう。技術云々の問題ではないため少し残念なシーンだった。2月15日に迫った明治安田J2リーグ開幕戦までに小林慶行監督がどう立て直すのか注目だ。

田中、デリキ、吉田らが奮闘
完敗を喫した千葉だが収穫もあった。サイドチェンジから右サイドハーフのMF田中和樹がドリブルで仕掛けセンタリングを供給するシーンや後半投入のFWデリキが劣勢の状況のなか一人でチャンスメイクするシーンなど、コンディションの高さも垣間見えた。特に印象的だったのは、今冬カマタマーレ讃岐(J3)から完全移籍で加入したMF吉田源太郎の存在。出場時間は短かったものの、ドリブル突破やスピードはJ1相手でも十分通用することが証明されていた。
この試合で“新生リカルドサッカー”の成熟度の高さを見せつけた柏。課題解消に向けても順調と言えるだろう。敗れた千葉は守備面に多くの課題が見つかったが、リーグ開幕戦に向け立て直す時間がまだ1週間あるのはポジティブに捉えたいところだ。カテゴリーは違えど両チームの躍進に期待したい。
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