中国サッカー協会(CFA)は1月6日、2025シーズンのプロライセンス交付クラブを発表。かつて広州恒大として中国スーパーリーグ(超級)5連覇を含む8回の優勝、ALC(AFCチャンピオンズリーグ)優勝2回(2013、2015)を誇った広州FCにライセンスを発行せず、クラブは解散を発表した。
2004年に14クラブで発足(2006年には16に拡大)した中国スーパーリーグ。「超級」と称している上、1部リーグを「甲級」、2部リーグを「乙級」としていることから事実上、“中国版プレミアリーグ”といえるものだ。
広州FCは、不動産会社のエバーグランデ・グループ(恒大集団)と、IT大手のアリババグループ(阿里巴巴集団)を親会社に多額の資金を注ぎ込み、マルチェロ・リッピ監督(2012-2014)、ルイス・フェリペ・スコラーリ監督(2015-2017)、ファビオ・カンナバーロ監督(2017-2021)といった有名監督を高額年俸で招聘。MFダリオ・コンカ(2011-2013)を年俸1,040万ドル(約11億4000万円)で、MFパウリーニョ(2015-2017、2018-2021)を年俸1,040万ドル(約8億3千万円)といった天文学的な報酬で加入させ、アジアを席巻した。
しかし、中国の不動産バブルが弾け、エバーグランデ・グループが約50兆円もの凄まじい負債を抱え経営破綻すると、一気に弱体化。同社が経営から撤退した2022シーズンに広州FCはスーパーリーグから降格し、2023シーズンからは2部の甲級リーグに戦いの場を移していた。
ここでは中国サッカー界の現状を深掘りしてみよう。
解散や合併に至ったクラブ
6日の発表でCFAは「滞納金や負債によりライセンスを取得できなかったクラブについては、引き続きフォローアップを行い、関連規則に従って状況に対処する」とし、存続の道を作った。しかし広州FCは自らギブアップした形だ。
広州FCは、クラブ公式SNS(WeChat)のアカウント上で、「様々な取り組みを行ってきたが、過去に多額の負債を抱えてきたため、返済するために調達した資金が不十分だった。広州FCは最終的にプロリーグに入会することができなかった」と報告し、サポーターへ謝罪した上で、クラブの歴史に幕を閉じた。
スーパーリーグを経験しながらも、中国経済の停滞やコロナ禍の影響を受け解散や合併に至ったクラブは広州FCの他にも、天津天海(2020年解散)、江蘇FC(2021年解散)、北京人和(2021年解散)、重慶両江競技(2022年解散)などが挙げられ、下部リーグも合わせれば30から40にも上ると言われている。
現在中国では、スーパーリーグ、甲級リーグ、乙級リーグとも16クラブによるリーグ戦を維持できてはいるが、乙級リーグともなれば、北京理工大学足球俱楽部のような学生クラブが存在するのが現実だ。
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