
元日本代表FW柿谷曜一朗は、徳島ヴォルティスを2024シーズン限りで退団。同クラブでチームメイトだったMF島川俊郎との対談で、吉田達磨前監督時代におけるチーム内の出来事を振り返っている。
徳島はここ数年間にわたり、リカルド・ロドリゲス(現柏レイソル監督)やダニエル・ポヤトス(現ガンバ大阪監督)らスペイン人指導者のもとポゼッションサッカーを培ってきたが、2023年夏にベニャート・ラバイン氏から吉田達磨氏への監督交代によりプレースタイルに変化が。吉田監督のもとで2024シーズンに臨んだが、一時J2で最下位に沈むなど、開幕ダッシュに失敗した。
また吉田監督のプレースタイルを巡って、チーム内から異論も。MF西谷和希(現ツエーゲン金沢)が3月9日、インスタグラムで「ヴォルティス本来のスタイルを取り戻すことが勝つための道しるべになります。ヴォルティスのスタイルこそが最高で最強です」などと綴ると、その後は全体練習に不参加。同選手は4月はじめに契約解除によりチームを離れた。
一方で島川は吉田監督の解任直後に、突如引退を表明。わずか3か月でチームを去ったが、自身のYouTubeチャンネルを通じて「引退の理由は、どうしても許せないことがあったからです。僕の思いは(岸田一宏)社長に全てぶつけましたし、昨日の朝、チームメイトやコーチングスタッフ、トレーナー、マネージャーの方々には、自分の思いを伝えました」とコメント。柏レイソル下部組織時代から吉田監督と師弟関係であるだけに、監督交代が自身のキャリアに影響を及ぼしたとみられている。
島川のYouTubeチャンネルでは、12月25日に柿谷との対談動画が公開。連敗続きの3月にチーム全体で決起集会を開催したことに話題が及ぶと、柿谷は「何をしても勝てなくて」と振り返った上で、当時のチーム状況をこう語っている。
「なぜそんなガヤガヤしているのか?と今は思っている。正直、誰も迷惑はかけていない。最初、達磨さんで始まって、途中に和希がどうこうとか色々あったけど、別に和希も誰かに迷惑をかけていないし、ただ1人1人が自分のサッカー選手としてのエゴとか、そんなもののぶつかり合いの中で色々な生まれるけど」
「『こいつがこんなことをしたから悪い』とか無いし、まわりが判断することでもない。俺らチームメイトみんなが分かっていること。いちいち誰かに発表することでもないし、噂とか本当の話ではないのに一人歩きして、それでみんなが苦しんだ時期はあったけど、もう1回立て直せたし、良かったんじゃない」
この柿谷の発言に島川は首を縦に振ったほか、「とりあえずJ2残留できて良かったです」と胸をなで下ろしている。柿谷、島川、西谷の関係性をはじめ、ネット上では様々な噂が駆け巡っていたが、少なくとも柿谷と島川は良好な関係にあるようだ。
なお柿谷はかつて2009年夏から2年半にわたり、セレッソ大阪からの期限付き移籍により徳島でプレー。2011シーズン限りでC大阪へ復帰すると、その後はスイス1部バーぜルや名古屋グランパスでも実績を積み重ね、2023年1月に再び徳島へ。復帰1年目はリーグ戦37試合の出場で7ゴールをマークも、2024シーズンはノーゴールという結果に。2025シーズンの構想から外れ、11月9日に契約満了が公式発表された。
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