高校サッカー

市立船橋の残留確定!高円宮杯プレミアEAST第21節ハイライト【2024】

市立船橋高校 写真:Getty Images

高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2024のEAST(以下プレミアEAST)第21節が11月30日~12月1日に各会場で行われ、激戦が繰り広げられた。前節終了時点で首位の鹿島アントラーズユースはアウェイで3位横浜FCユースと対戦。勝てば優勝が決定する可能性もあったが、0-2で敗れている。直近9戦負けなしで絶好調の2位柏レイソルU-18はホームで4位前橋育英高校と対戦し3-2で勝利を手にした。この結果を受けて柏U-18が首位、2位に横浜FCユース、3位に鹿島ユースと順位が変動した。3チームの優勝に待ったをかけるのが流通経済大学付属柏高校だ。3位の横浜FCユース、4位前橋育英、5位昌平高校が軒並み黒星を喫する中、6位の流経大柏が勝ち点3と得失点差+6を獲得し4位に浮上。最終節まで逆転優勝の望みをつないでいる。

また、全12チーム中2チームが自動降格となる残留争いに目を向けると、12位の大宮アルディージャU18は前節で降格が確定。8位の青森山田高校までは残留が確定している為、9位以下の3チーム(FC東京U-18、市立船橋高校、尚志高校)による残留争いが激しさを増している。今節ではFC東京U-18(9位)と市立船橋(10位)が直接対決。ホームの市立船橋が2-1で勝利し残留を確定させた。一方、11位で崖っぷちの尚志はホームで青森山田と対戦し1-1で引き分け。今節ではなんとか降格の危機を免れた尚志だが、次節の対戦相手は優勝争いを繰り広げている3位鹿島ユース。難しい戦いになるのは必至だ。ここでは、優勝および残留の各争いで明暗が分かれた第21節をハイライトと共に振り返っていく。


流通経済大学付属柏高校 写真:Getty Images

流経大柏が6発大勝!

流通経済大学付属柏高校(6-0)大宮アルディージャU18

【得点者】

  • 3分:MF松本果成(流経大柏)
  • 10分:MF昇純希(流経大柏)
  • 17分:FW粕谷悠(流経大柏)
  • 36分:FW粕谷悠(流経大柏)
  • 62分:DF奈須琉世(流経大柏)
  • 85分:DF柳澤寿哉(流経大柏)

試合は開始早々に動く。3分、流経大柏のロングスローから味方が頭ですらしたボールをMF松本果成が左足で合わせて先制。10分にも左サイドからの高速カウンターを発動し、スペースに走り込んだMF昇純希が1対1を制して2点目を奪う。その後は大宮の自陣ロストが目立つようになり、流経大柏の高速カウンターが牙をむく。さらに17分、36分とFW粕谷悠が2得点を決め前半だけで4-0と流経大柏が大きくリードする。後半に入っても流れは変わらず。62分にはフリーキックで前線に供給されたボールをDF那須琉世が頭で合わせ5点目を奪う。

意地を見せたい大宮は67分、自陣からパスで攻撃を組み立てると、MF神田泰人の左脚のフライスルーパスに走りこんでいたMF丹野豊芽が相手GKの逆を突くシュートを放つも、カバーに走りこんでいたDF佐藤夢真が決死のクリアで大宮に得点を許さない。終了間際の85分には、またしても大宮の自陣パス回しに流経大柏の素早いプレスからインターセプトに成功。華麗なパスワークからペナルティーエリア内で待ち受けていたDF柳澤寿哉が流し込み6-0。終始早いプレスが目立った流経大柏が6-0で大宮を圧倒する形となった。

前節からの順位変動:流通経済大学付属柏高校(6位→4位)、大宮アルディージャU18(12位→12位)

川崎フロンターレ 写真:Getty Images

逆転勝利で川崎が2連勝達成!

川崎フロンターレU-18(2-1)昌平高校

【得点者】

  • 43分:MF大谷湊斗(昌平)
  • 53分:MF矢越幹都(川崎U-18)
  • 81分:FW香取武(川崎U-18)

試合が膠着状態で進む中、42分に昌平FW鄭志錫のセンタリングが相手のハンドを誘発しPK獲得。キッカーを務めたキャプテンのMF大谷湊斗が難なく決めて昌平が先制に成功し1-0とリードしたまま前半を折り返す。後半に入ると川崎が攻勢に出る。53分に昌平自陣のスローインを川崎がインターセプトに成功しカウンターを敢行。FW香取武のラストパスを受けたMF矢越幹都がゴール左隅に流し込み川崎が同点に追いつく。その後は両チーム攻め合うも中々ゴールが決まらない。そんな中で迎えた83分、センターサークル付近でボールを繋ごうする昌平から川崎がインターセプトに成功。奪ったボールをすぐさま左サイドに展開し、途中出場のMF平内一聖が供給したクロスをFW香取武がヘディングで合わせてゴールネットを揺らし逆転に成功する。これが決勝点となり川崎が昌平を退けた。

前節方の順位変動:川崎フロンターレU-18(7位→5位)、昌平高校(5位→7位)


青森山田高校 写真:Getty Images

崖っぷちの尚志、残留に望みをつなぐ

尚志高校(1-1)青森山田高校

【得点者】

  • 72分:オウンゴール(青森山田)
  • 85分:DF西館優真(尚志)

互いに決定機を作るも得点を決めきれず、スコアレスで前半を折り返したこの試合。後半71分、青森山田FW石川大也が左足で強烈なシュートを放つも尚志GK野田馨が好セーブで得点を許さない。直後の72分、試合は遂に動いた。青森山田キャプテンのDF小沼蒼珠のロングスローを野田がパンチングすると、運悪くそのままゴールに吸い込まれオウンゴール。青森山田が先制に成功した。プレミアリーグ残留の為にも負けられない尚志はDF西館優真がヘディングで弾いたボールからチャンスを創出する。右サイドからFW長坂隼汰のクロスに西館が渾身のヘディングでゴールを生み出し同点に追いくと、試合はこのまま終了。他力本願となってしまったものの、残留の可能性を繋げる勝ち点『1』を獲得した尚志は、次節で強敵の鹿島と激突する。

前節からの順位変動:尚志高校(11位→11位)、青森山田高校(8位→8位)


市立船橋高校 写真:Getty Images

市立船橋が5連勝で残留確定!

市立船橋高校(2-1)FC東京U-18

【得点者】

  • 6分:FW久保原心優(市立船橋)
  • 9分:FW伊丹俊元(市立船橋)
  • 86分:MF菅原悠太(FC東京U-18)

試合開始早々から出足が良かった市立船橋はコート両翼のスペースを上手く使うサイド攻撃でFC東京U-18コートに攻め込む時間を作る。6分、味方のマイナスのクロスにFW久保原心優が合わせ市立船橋が先制。9分にもコーナーキックからFW伊丹俊元がヘディングで合わせて追加点を決めた。24分にもMF渡部翔太が狙いすましたシュートを放つも、FC東京GK後藤亘の好セーブに阻まれる。反撃したいFC東京もペナルティエリア外からMF菅原悠太が左足でグラウンダーのシュートを放ったがGKギマラエス・ニコラスが好セーブ。両チームともにGKの活躍が目立った前半は2-0と市立船橋リードで降り返す。後半に入っても市立船橋守備陣の集中した守りは目立っていた。意地を見せたいFC東京は86分に獲得したPKを菅原が冷静に決めて1点差とするも試合終了。残留争いの直接対決を制した市立船橋が逃げ切りでプレミアリーグ残留を決めている。

前節からの順位変動:市立船橋高校(10位→9位)、FC東京U-18(9位→10位)


横浜FC 写真:Getty Images

横浜が鹿島を制し、優勝争い戦線に生き残る

横浜FCユース(2-0)鹿島アントラーズユース

【得点者】

  • 38分:DF佃颯太(横浜FCユース)
  • 51分:MF岩崎亮佑(横浜FCユース)

38分、鹿島ユースDF朝比奈叶和のGKへのバックパスが短くなってしまい、これを横浜FCユースDF佃颯太が逃さず奪取。相手GKを交わしゴールに流し込んで横浜が先制に成功する。その後は膠着状態が続き、1-0と横浜リードで前半を折り返す。後半開始早々、波状攻撃で横浜ゴールを脅かすシーンが増え試合は鹿島ペースで進むかと思われたが、51分に横浜MF中台翔太のグラウンダーパスからMF岩崎亮佑が放ったダイレクトシュートが相手GKの股を通って追加点。横浜がリードを2点に広げた。

74分、横浜のゴールキックが鹿島期待の中学3年生FW髙木瑛人に当たり、右足に持ち替えてシュートを放つも、横浜DFのシュートブロックに遭い得点とはならず。85分にも鹿島のコーナーキックからボールを受けた髙木がワントラップで振り向きざまに左足でシュートするもGK大亀司がファインセーブ。鹿島は後半アディショナルタイムにも決定機を創出するが決めきれず、試合はこのまま2-0で横浜が3試合ぶりの勝利を手にし、最終節まで優勝の望みを繋げる勝ち点3となった。

前節からの順位変動:横浜FCユース(3位→2位)、鹿島アントラーズユース(1位→3位)


柏レイソル 写真提供: Getty images

前橋育英との撃ち合いを制した柏が首位に!

柏レイソルU-18(3-2)前橋育英高校

【得点者】

  • 10分:FW戸田晶斗(柏レイソルU-18)
  • 26分:FW佐藤耕太(前橋育英)
  • 36分:DF黒沢偲道(柏レイソルU-18)
  • 77分:FWワッド・モハメッド・サディキ(柏レイソルU-18)
  • 90分+2分:FW大岡航未(前橋育英)

試合は両チーム合わせて5ゴールが生まれる乱打戦となった。前半10分、柏のコーナーキックで供給されたボールを相手DFが一度クリアするが、ペナルティエリア外で受けたFW戸田晶斗がワントラップしてから右足一閃のシュート。これがゴールネットに突き刺さり柏が先制に成功。前橋育英も26分、MF黒沢佑晟のクロスに中で待っていたFW佐藤耕太がヘディングで合わせて同点に追いついた。さらに今度は柏が魅せる。36分、柏の最終ラインからロングフィードで左サイドに展開。受けたDF藤谷温大から戸田、黒沢へと渡ったボールを冷静に流し込み柏が2点目を奪った。

後半は来季トップチームへの内定が決まっているFWワッド・モハメッド・サディキが違いを見せる。ポストプレーでボールを収めチャンスの起点となると、77分に左サイドからのクロスにヘディングで合わせたワッドが3点目を挙げる。意地を見せたい前橋育英は80分、MF柴野快人がカットインしてからシュートを放つも得点は奪えず。そして90分、前橋育英は楔のパスを受けた柴野が右サイドに展開。MF平林尊琉からFW大岡航未へとパスを供給。これを大岡が見事に決めて2-3で1点差とするも万事休す。柏が9戦負けなしで直近4連勝となり、遂に首位に立った。

前節からの順位変動:柏レイソルU-18(2位→1位)、前橋育英高校(4位→6位)


第21節終了時の順位

  • 1位:柏レイソルU-18(千葉県)勝ち点38、得失点差+13(総得点43)
  • 2位:横浜FCユース(神奈川県)勝ち点38、得失点差+8(総得点31)
  • 3位:鹿島アントラーズユース(茨城県)勝ち点38、得失点差+6(総得点37)
  • 4位:流通経済大学付属柏高校(千葉県)勝ち点35、得失点差+9(総得点41)
  • 5位:川崎フロンターレU-18(神奈川県)勝ち点32、得失点差+7(総得点34)
  • 6位:前橋育英高校(群馬県)勝ち点32、得失点差+4(総得点35)
  • 7位:昌平高校(埼玉県)勝ち点32、得失点差+3(総得点32)
  • 8位:青森山田高校(青森県)勝ち点29、得失点差-1(総得点21)
  • 9位:市立船橋高校(千葉県)勝ち点26、得失点差-12(総得点21)
  • 10位:FC東京U-18(東京都)勝ち点23、得失点差-5(総得点30)
  • 11位:尚志高校(福島県)勝ち点21、得失点差-6(総得点20)
  • 12位:大宮アルディージャU18(埼玉県)勝ち点11、得失点差-26(総得点17)

名前:Yusuke Sueyoshi
趣味:スポーツ観戦(野球、サッカー)、サウナ、ジム
好きなチーム:北海道コンサドーレ札幌、ジェフユナイテッド千葉、バルセロナ
初めまして。Yusuke Sueyoshiと申します。
普段は医療機関に勤めており、整形外科分野を中心に携わらせていただいております。
幼少期からサッカーは観てきましたので、私ならではの視点から皆様に情報を発信していきたいと考えておりますので何卒宜しくお願いいたします。

筆者記事一覧