2024シーズンの明治安田Jリーグもいよいよ終盤。J2およびJ3リーグは全日程を消化し、各昇格プレーオフを残すのみ。J2覇者の清水エスパルスが3年ぶり、2位の横浜FCが2年ぶりにJ1への自動昇格を決めており、J3を制した大宮アルディージャが2年ぶり、2位FC今治はクラブ史上初のJ2昇格を手にしている。
12月8日に最終節を迎えるJ1リーグは、首位のヴィッセル神戸(勝ち点69・得失点差+22)、2位サンフレッチェ広島(勝ち点68・得失点差+31)、3位町田ゼルビア(勝ち点66・得失点差+22)の上位3クラブが僅差で優勝を争っている。
シーズン終了後は来季に向けて選手・スタッフの編成を行う為、各クラブの動きは慌ただしくなる。移籍市場が活発化するこれからの時期、ファン・サポーターも選手の去就から目が離せない。そんななか、特に注目なのがGKの移籍だ。今季限りで元オーストラリア代表GKミッチェル・ランゲラックが名古屋グランパスを退団することが発表されており、今冬はGKの玉突き移籍が活発化しそうだ。
ここではそんな今オフの移籍市場で、筆者が特に注目しているGK8選手をピックアップしていく(※12月1日時点の情報に基づく)。
波多野豪(FC東京)
身長198センチと恵まれた高さを生かしたハイボール処理やシュートストップに自信を持つ波多野豪。昨2023シーズンはVファーレン長崎(J2)に期限付き移籍し全試合出場を果たすなど活躍した。FC東京に復帰した今季は、キャンプから昨シーズンの成果を首脳陣に猛アピール。見事開幕スタメンの座を掴んでいる。
しかし、昨シーズン見せていたパフォーマンスには程遠かった今季の波多野。第5節の川崎フロンターレ戦(0-3)では、スルーパスに反応して飛び出した波多野がボールに追いついた川崎FWエリソンをペナルティエリア外で倒してしまい「DOGSO(決定的な得点機会の阻止)」の判定で一発退場。第13節の柏レイソル戦(3-3)でも、前半アディショナルタイム2分に相手FW細谷真大を倒しレッドカードと、今季は2度もDOGSOでの退場を科されている。ほかにも、先発した12試合で17失点と不安定なパフォーマンスが続きスタメンから外れる機会が増え、チーム内での序列を下げている。
そんな波多野だが、昨季長崎でのパフォーマンスを知るJ2クラブが興味を抱く可能性もあり、オファー次第では移籍もあり得るだろう。
- 生年月日:1998年5月25日(26歳)
- 今季出場数:公式戦15試合(リーグ戦13、ルヴァンカップ1、天皇杯1)
シュミット・ダニエル(KAAヘント)
2人目は元日本代表で現在ベルギー1部のKAAヘントに所属するシュミット・ダニエル。197センチと長身を生かしたダイナミックなセービングやハイボール処理が長所である。2014年に当時J1のベガルタ仙台でプロキャリアをスタートさせると、翌2015年はJ2ロアッソ熊本に期限付き移籍。2016年にはJ2松本山雅に期限付き移籍しコンスタントに出場機会を掴んだが、2017年に仙台に復帰した。その後、J1で頭角を現し2019年7月にベルギー1部のシント=トロイデンVV(STVV)に移籍した。
4シーズン所属したSTVVでは106試合に出場。2022年に開催されたFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会の日本代表メンバーに選出された実績も持っている。2023年12月よりベルギー1部のヘントに活躍の場を移しているが、出場機会も限られ思うように活躍出来ていないことからJリーグ復帰が有力視されている。
今シーズン限りで守護神ランゲラックの退団が決定している名古屋はもとより、古巣の仙台や来季2年ぶりにJ2復帰する大宮なども獲得に向け手を挙げそうだ。
- 生年月日:1992年2月3日(32歳)
- 今季出場数:公式戦3試合(ベルギー1部リーグ1、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ2)
朴一圭(サガン鳥栖)
3人目は、来季より14年ぶりに戦いの場をJ2へ移すサガン鳥栖から朴一圭を挙げたい。GKの中では並外れた足元の技術を持ち合わせており、他の選手ならクリアするようなシチュエーションでもしっかりとボールをコントロールしマイボールに出来ることが強み。2014年に当時J3の藤枝MYFCでプロキャリアをスタートさせると、2016年から2年間はFC琉球(J3)に在籍している。
2019年~2020年まで横浜F・マリノスに所属し、1年目のシーズンはアグレッシブな戦術を敷くアンジェ・ポステコグルー監督の下でひと際輝いた。特に守備範囲の広さはファンに大きな衝撃を与え、横浜FMはこの年に15年ぶりのJ1優勝を果たしている。2020年10月の期限付き移籍を経て翌年から鳥栖に完全移籍し現在に至る。同クラブがJ2降格となったこともあり、GKに不安を抱えるJ1チームが興味を抱いていてもおかしくはない。
- 生年月日:1989年12月22日(34歳)
- 今季出場数:公式戦38試合(リーグ戦37、ルヴァンカップ1)
ソン・ボムグン(湘南ベルマーレ)
4人目は韓国代表のソン・ボムグンを挙げたい。ソンはセービング力に絶対的な自信を持っており、数多くのピンチを救ってきた。昨シーズンはJ1第2位となるセーブポイントをマークしている。今シーズンはここまで20試合に出場しているが、第28節の名古屋戦(0-1)以降は今夏に川崎から加入したGK上福元直人に正GKの座を奪われており出場機会を失っている状況だ。セービング能力は確かであり、サブのGKとして据えるのはもったいない。今オフGKの玉突き移籍が起これば、真っ先に候補としてソンの名前が挙がることが考えられる。
- 生年月日:1997年10月15日(28歳)
- 今季出場数:公式戦21試合(リーグ戦20、ルヴァンカップ1)
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