2024明治安田J2リーグ第38節の10試合が11月10日に行われ、今季リーグ戦の全日程を終えた。激しい順位争いの中で清水エスパルスが2試合を残し昇格を決め、最終節で横浜FCがV・ファーレン長崎の猛追から逃げ切り自動昇格枠を守り切った。
12月にプレーオフへ進出した4クラブによる争いが残っているが、多くのクラブはここから来季に向けた補強の動きが活発になっていく。そこで動向に注目したいのが、今季J1クラブから期限付きでJ2の各クラブへ加入していた選手たちの去就。優勝を決めた清水をはじめ、上位下位問わず今季も期限付き移籍中の選手が活躍したクラブは多い。ここでは、その中でも特にチームにとって必要不可欠な存在となっていた選手たちを10名紹介していく。※2024年11月24日時点の情報に基づく
宇野禅斗(清水エスパルス)
今夏、町田ゼルビアより清水エスパルスへと加入したMF宇野禅斗。最終的にJ1昇格とJ2優勝を成し遂げたチームにとって、宇野の加入は後半戦を戦い抜くために必要だったことに疑いの余地はない。球際の強さに加えミドルシュートという武器を清水にもたらし、さらに中盤のつなぎの部分でも前にボールをつける意識の高さで攻撃にスピード感を生み出していた。
所属元である町田の同ポジションには、今季浦和レッズから期限付きで加入しているMF柴戸海や清水から宇野と入れ替わりで期限付き移籍しているMF白崎凌兵といった実力者が名を連ねている。とはいえ、町田の黒田剛監督は宇野にとって高校時代の恩師でもあり関係が深いことも事実。約半季のみの所属とはいえ、清水の中盤に欠かせないと言えるほど存在感を放った宇野。この冬、彼の去就に注目する清水のファンやサポーターは多そうだ。
岡庭愁人(ジェフユナイテッド千葉)
最終節で惜しくもJ1昇格プレーオフ進出を逃したジェフユナイテッド千葉。昇格の道は断たれたが、FW小森飛絢やFW田中和樹など特に攻撃陣は個々に強烈な存在感を見せたシーズンとなっている。
そんななかで、途中出場が多いながらもチームの高い得点力を支え続けたのがFC東京から期限付き移籍中のDF岡庭愁人だ。第4節で出場機会を得るとリーグ戦は30試合に出場。うち21試合が途中出場だがトータルで3ゴール5アシストの数字を残している。正確かつ鋭いクロスが最大の武器であり、得点力の高い前線の選手たちの能力をさらに引き出していた。来季こそJ1昇格を成し遂げるためにも、千葉にとって岡庭は手放したくない選手の1人。果たして来季はどうなるのか去就が注目される。
佐藤大樹(ブラウブリッツ秋田)
今季は開幕から2連敗と苦しい立ち上がりとなったブラウブリッツ秋田。しかし、その後は自慢の堅守で勝ち点を積み上げ一時はJ1昇格プレーオフ進出も狙える位置につけていた。残念ながらプレーオフ圏争いからは終盤に脱落したが、それでも最終的には10位と過去最高順位でシーズンを終えている。
そんな秋田躍進の立役者となったのが、町田ゼルビアから期限付き移籍中のFW佐藤大樹だ。開幕直後の第3節徳島ヴォルティス戦で1ゴール1アシストの活躍を見せ勝利に貢献。その後も得点だけでなく丁寧なラストパスなどチャンスメイクでも存在感を発揮し、シーズンを通して6ゴール3アシストといずれもチームトップタイの数字を残した。リーグ内でも4番目に得点の少ない秋田にとって、佐藤の果たした役割は極めて大きい。来季さらに上の順位を目指すためにも、佐藤にはそのままチームに残り攻撃の核となってほしいものだ。
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