Jリーグ 清水エスパルス

J1復帰の清水で来季は定位置確保?ラスト3節で魅せた選手たち

清水エスパルス 写真:Getty Images

清水エスパルスは2024明治安田J2リーグを優勝で終え、3年ぶりのJ1復帰を果たした。昨季は勝てば昇格の決まる最終節で水戸ホーリーホックに引き分け自動昇格圏から陥落。J1昇格プレーオフ決勝でも後半アディショナルタイムに同点ゴールを許すなど、ここぞの場面で勝ちきれない印象のあるチームだった。しかし、今季はシーズン序盤から順調に勝ち点を積み上げ上位をキープ。J1復帰を目前にやや足踏みはあったが、それでもラスト3試合はいずれも1-0の勝利と勝負強さを見せてシーズンを締めくくった。

このシーズン終盤の3試合では今季出場機会の少なかった選手たちにもチャンスが多く与えられた。昇格や優勝のかかる大一番に最終節と、重要なゲームでそれまでなかなか見せ場のなかった選手たちを起用できた意味は大きい。もちろん、所属する大半の選手についてその去就は現時点で不明だが、ラスト3節から改めて選手層の厚さを見せつけたことは確かだ。ここでは、そんなシーズン終盤の3戦で出場機会を掴んで見せ場を作り、来季以降は定位置確保にも期待がかかる選手について紹介していく。


沖悠哉 写真:Getty Images

来季の守護神候補筆頭:沖悠哉

今季清水の新戦力の1人であり、2020~2021シーズンには若くして鹿島アントラーズの守護神も務めたGK沖悠哉。日本代表としても多くの経験を持つGK権田修一を前にリーグ戦ではなかなか出番を得られずにいたが、第36節の栃木SC戦で移籍後のリーグ戦初となるスタメン出場を果たした。

J1昇格のかかる大一番となった栃木戦では、ゲーム最終盤に味方との交錯でボールを落としピンチを招くも周囲のカバーに救われてクリーンシートで昇格という目標達成に貢献。続く優勝のかかった第37節のいわきFC戦では、特に前半相手にチャンスを多く作られた中で好セーブを連発し最後までゴールを割らせず2試合連続となる無失点勝利の立役者となった。

今季出場はこの2試合のみとなったが、限られた機会で確かな存在感を放った沖。今季限りで権田の退団が決定していることもあり、チームにおける重要性は極めて高い。ただし、栃木戦といわき戦でサブに入った下部組織出身のGK梅田透吾や最終節でスタメンに名を連ねたGK猪越優惟ら既存の戦力に加え、U-17日本代表にも選出された高卒ルーキーの加入も内定しておりポジション確保に向けて楽観視はできない。とはいえ、J1の舞台における経験値でリードしていることもまた事実。3年ぶりのJ1に向け頼りになる存在であることは間違いない。


成岡輝瑠(レノファ山口所属時)写真:Getty Images

新たなチームの心臓に:成岡輝瑠

今季清水のボランチ2枚は、下部組織出身のMF宮本航汰と開幕前に鹿島アントラーズから期限付きで加入したMF中村亮太朗、そして夏に町田ゼルビアから期限付きで加わったMF宇野禅斗と主にこの3選手が務めた。そんな中、MF成岡輝瑠はシーズン終盤の第37節と第38節で出番を得た。

第37節いわき戦はゲーム終盤わずかな時間のみの出場となったが、続く最終節のロアッソ熊本戦では先発出場。相手にボールを握られる時間も多くあった中で、好プレーを数多く見せていた。守備では鋭いチェックからのパスカットや前線での素早い切り替えで相手の出足を封じ、攻撃では敵陣深くで自ら仕掛けてゴールに迫るなどゲーム最終盤に交代するまで積極的なプレーを披露。シーズン最終節で大きな存在感を放った。

来季に向けて、中村に宇野と期限付きで加入していた選手の活躍が大きかったボランチは彼らの去就次第で戦力ダウンの懸念もある。しかし、最終節で見せた成岡の活躍ぶりはそんな懸念を十分に軽減させるものだったと言える。また、仮に彼らがそのままチームに残留したとしても、ポジションを奪うに足る力を示したとも言えよう。まだ22歳と伸びしろもたっぷりな成岡。来季は新たな清水の心臓として、J1で躍動する姿を見たいものだ。

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名前大島俊亮
趣味:サッカー観戦、ゲーム(スポーツ、シミュレーション、アクションなど)
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