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県予選ベスト8で衝撃の敗退。昌平高校、玉田監督就任の裏側

昌平高校 MF荒井悠汰 写真:Getty Images

 2024年7月27日から8月3日にかけて行われた全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の決勝で、神村学園を3-2で下し、埼玉県勢で51年ぶりに夏の日本一に輝いた昌平高校。全国高校サッカー選手権大会での埼玉県予選も突破し全国出場を決めるかに思われていたが、11月2日に行われた準々決勝で聖望学園に3-4で敗れた。

 昌平高校は、元日本代表FWで2006年、2010年のFIFAワールドカップにも出場した玉田圭司監督が指揮している。玉田監督が就任した経緯と、2023年10月に退任した藤島崇之元監督の現在について関係者が明かした。

 昌平高校は、藤島元監督と千葉県の市立習志野高校で共にプレーした同級生が多くコーチングスタッフに名を連ねており、玉田監督もその一人だ。玉田監督は2023年4月からスペシャルコーチとして参画すると、翌2024年3月から監督に就任した。同校スタッフの多くと繋がりのある人物によると、就任当初は「上手くいくのだろうか」という声も一部挙がっていたという。しかし、月日が流れる連れてフィットしていき、インターハイも優勝したことでその評価は一気に上昇したようだ。

 また、藤島元監督は2023年10月に突然監督を退任しており、現在サッカー部との関わりは深くはないようだ。「積極的に関わりたい」という思いはなく、学校の事務局長として同校に残り仕事を続けているという。習志野高校から順天堂大学へ進学し、卒業後は青森山田中学校でコーチを務めた藤島氏は、黒田剛監督(現町田ゼルビア)と共に仕事をし、柴崎岳(鹿島アントラーズ)らを指導。2007年に昌平高校の監督に就任すると、松本泰志(サンフレッチェ広島)や小見洋太(アルビレックス新潟)、荒井悠汰(FC東京からカターレ富山に育成型期限付き移籍中)などを育てた。

 昌平高校の下部組織にあたるジュニアユースチームのFC LAVIDAは同校のコーチ陣の大半が指導しているが、藤島氏の名前は掲載されていない。現在は、サッカーとの関わりが以前より薄くなっていることは間違いなさそうだ。

 なお、昌平高校サッカー部には約100人が在籍しており、一般入試で入学した生徒も入部可能だという。しかし、学校直営の寮についてはサッカー推薦者のみ入寮の対象となるとのこと。

 選手権大会の予選は敗退したものの、高円宮杯JFAU-18サッカープレミアリーグ2024EASTでは3試合を残して4位に位置している昌平高校。首位の鹿島アントラーズユース、2位の横浜FCユースとは勝ち点3差の状況で、3位の柏レイソルU-18及び5位の前橋育英高校とは32ポイントで並んでおり、これらチームの結果次第で優勝の可能性を残している状況だ。

 プレミアリーグEASTで優勝すると、WESTの王者と対戦するチャンピオンシップ(12月15日に埼玉スタジアム2002で開催)への出場資格を得ることができる。同校の今後にも注目していきたい。