11月15日(日本時間16日)、バーレーンのサヒール競馬場で行われたバーレーンインターナショナルトロフィー(G2芝2000m)で、かつてマンチェスター・ユナイテッドで27年間(1986-2013)もの長期政権を築き黄金時代をもたらしたアレックス・ファーガソン元監督が馬主兼生産者としても知られるスピリットダンサーが差し切り、連覇を達成。このレースの勝利によって、同氏は1着賞金60万米ドル(約8400万円)を手にした。日本からも2頭が参戦し、ヤマニンサンパは6着、キラーアビリティ8着という結果だった。
昨2023年、ユナイテッドの共同オーナーにジム・ラトクリフ氏が就任したことで、250人以上のスタッフをリストラするなど徹底的な財務の見直しが行われ、年200万ポンド(約3億9000円)の人件費節減のため、ファーガソン氏とのアンバサダー契約を終了させ、サポーターやクラブOBからも批判にさらされたのは記憶に新しいところ。
ファーガソン氏はバーレーンの地で愛馬の勝利を見届け、「信じられないことだ。素晴らしい走りで彼を本当に誇りに思う」と喜びを表した。ちなみに、かつて同氏が監督時代に共同所有していたロックオブジブラルタルは、2001年から2002年にかけ、G1で7連勝という記録を作っている。
82歳にして意気軒昂なファーガソン氏。ユナイテッドで活躍し自身の所有馬に「Switcharooney(スイッチアルーニー)」と名付けた元イングランド代表FWウェイン・ルーニー氏や、同じく元イングランド代表FWでリバプールやレアル・マドリードにも所属し、引退後には騎手としても“デビュー”したマイケル・オーウェン氏といった、ウマ好きの“後輩”と比べても、サッカー界で最も成功している馬主であり、しかもブリーダー(生産者)も兼ねている熱心さだ。
アンバサダー契約は打ち切られたものの、本拠地オールド・トラッフォードでは、今2024/25シーズンも苦戦を強いられているユナイテッドを見守る日々が続きそうだ。
一方で、ユナイテッドでの肩書がなくなったことで、馬主および競争馬生産者としての活動をさらに加速させる可能性もある。2004年、天皇賞や3歳クラシック競争も含め、G1レースにおいて外国馬の参戦が大幅に開放され、以降、何頭もの外国馬が日本のG1レースに挑戦している。いつか、ファーガソン氏が馬主として、2008年のFIFAクラブワールドカップ以来の来日などという日が来るかもしれない。
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