Jリーグ

ルヴァンカップ決勝、チケットほぼ完売も転売や詐欺が横行。問題は山積みに

国立競技場 写真:Getty Images

 11月2日に国立競技場で開催されるYBCルヴァンカップ決勝では、勝てば初優勝となるアルビレックス新潟と2021年度の大会でチャンピオンに輝いた名古屋グランパスが対戦する。同試合のチケットは10月16日から先行販売抽選の申し込みがスタートし、24日の18時からは一般販売が開始。売れ行きは非常に好調だが、法律違反ともなりうる新たな問題が複数出てきているようだ。

 25日の11時時点で、同大会決勝のチケット残りは車いす席のみとなっており、空席も残り僅かで完売間近の状況。しかし、チケット売買サイトの「チケジャム」や「チケット流通センター」では、定価3,500円のカテゴリー7三層(ゴール裏)が25,000円から30,000円で販売されるなど、明らかな営利目的の転売と見れらる行為が多数行われている。

 これらは2019年6月に施工されたチケット不正転売禁止法に触れる可能性がある。さらに、X(旧Tiwtter)ではJリーグに対して「チケット転売行為に関する問い合わせを行った」という投稿も見られ、対応を迫る動きも見られている。

 また、Xでチケットを譲渡してもらうため、取引相手に代金を支払ったが届かないという詐欺被害報告も複数挙がっており、様々な問題が浮き彫りとなっている。入場券を確保できなかったチケット難民が多くいるだけに、横行する転売や詐欺行為の他、人気YouTuber「あしざるFC」など複数のインフルエンサーとJリーグによる招待企画が炎上する事態を招くなどし、ファン・サポーターの怒りはMAXに近いだろう。

 なお、セレッソ大阪は今年8月31日に開催予定だった(台風の影響で10月2日に延期)J1第29節ガンバ大阪戦で不正転売が確認されたチケットの識別番号をホームページ上で公開し、当該チケットを無効としている。その上で転売行為を行った者に対しては、公式ファンクラブ(SAKURA SOCIO)の資格剝奪及びホームゲームへの無期限入場禁止処分を下しており、この対応について称賛の声が挙がっていた。

 その他にも、人気アーティストのライブでは入場する際に身分証明書による本人確認を義務づけるなど様々な対策が行われている。Jリーグでは公式によるリセールの利用を呼び掛けてはいるものの、C大阪のように具体的な対応は行っていない。このようにクラブ独自で対応したケースもあるが、本来は主催者であるJリーグが率先してこうした対策を行うべきではないだろうか。

 今大会決勝のチケットはプレミア化する中、人気YouTuber達による招待企画への批判や必要性を問うことに加え転売や詐欺行為など、入場券に関する問題が山積みとなっている。今後、これらの問題が改善され「純粋に試合を観戦したい」と心から願うファン・サポーターにチケットが行き渡る日は来るのだろうか。