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伊東純也への誹謗中傷から学ぶべき?日本人記者の質問物議!サウジ代表監督激怒

ロベルト・マンチーニ監督 写真:Getty Images

 サウジアラビア代表は、日本時間10月11日未明に行われたFIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選で、日本代表に0-2で敗北。試合後、解任の可能性も取りざたされているロベルト・マンチーニ監督に対する一部メディアの質問内容が物議を醸している。

 かつてマンチェスター・シティ、インテル、イタリア代表などを率いていたマンチーニ氏。2023年8月にサウジアラビア代表監督に就任しているが、イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は「年俸2500万ユーロ(約40億円)の4年契約」と報道。天文学的とも言える指導者の巨額年俸で注目を集めていた。

 しかし2024年1,2月開催のAFCアジアカップで、韓国に敗れてベスト16という結果に終わると、9月の最終予選初戦では格下のインドネシア代表に1-1と引き分け。中国戦では2-1で勝利したとはいえ、退場者を出すなど試合内容は決して良くなかった。

 そんななか、ホームで迎えた日本戦では、14分にMF鎌田大地(クリスタル・パレス)のゴールで先制を許すと、前半終了間際にはGK鈴木彩艶(パルマ)のファインセーブに遭い、同点とはならず。後半も日本のペースで試合が進むと、81分にFW小川航基(NECナイメヘン)にゴールネットを揺らされた。

 サウジアラビア紙『Al-Awsat』によると、試合後の会見で一部の日本人記者がマンチーニ監督に「高い給料をもらっているのに、それに見合うだけの仕事をしているのか」と訊くと、指揮官は怒りをあらわにしながら、「あなたは私の銀行口座を見たのか!?」などとまくし立てたという。またマンチーニ監督の言動を一部の日本メディアも報じると、質問内容が不適切といった指摘や批判が相次いでいるほか、サウジアラビア代表監督への謝罪メッセージも見受けられている。

 両国代表による過去の対戦では、選手や代表チーム関係者に対する口撃が。2021年10月8日にサウジアラビアのホームスタジアムで開催された試合では、試合後にDF吉田麻也(ロサンゼルス・ギャラクシー)がピッチサイドでフラッシュインタビューに対応する際、サポーターから嘲笑されたり、差別的な発言を浴びていた。

 また2022年2月1日の対戦では試合前、MF伊東純也(スタッド・ランス)のインスタグラム投稿にアラビア語の誹謗中傷メッセージが殺到。「神がお前の足を怪我させるだろうな」といった過激なコメントが寄せられたほか、中指を立てる絵文字を大量に送り付けられるなど、荒らし行為の被害に遭っている。

 こうしたサウジアラビアの民度とは対照的に、対戦相手へのリスペクトを重んじる日本。森保一監督も試合前にマンチーニ監督を「非常に素晴らしい指揮官」と称えた上で、サウジアラビア国民に同監督のサポートを呼びかけていた。

 マンチーニ監督に対する日本人記者の質問内容が事実だとすれば、対戦相手への敬意を忘れず、侮辱に対する目が厳しいという日本の国民性に逆行するものだと捉えられても仕方ない。サウジアラビア方面からの吉田、伊東に対する侮辱行為、森保監督のコメント等から学ぶことは多いはずだ。