日本代表・海外組 日本代表

7発大勝の森保ジャパン。中国戦の布陣[3-4-2-1]はなぜ破壊力抜群だったのか

南野拓実 写真:Getty Images

中国の[5-3-2]を粉砕

先述の通り、中国代表が[4-4-2]から[5-3-2]へ布陣を変えた後半開始以降も、日本代表が試合を掌握。前半に見られた板倉と町田のボール運びや攻め上がりに対し、中国代表は有効な守備を持ち合わせておらず。ハイプレスで日本代表のパス回しを片方のサイドへ追いやることもしなかったため、後半も撤退守備を余儀なくされた。

また、久保と南野が中国代表の3セントラルMF各選手の斜め後ろから何度も顔を出し、味方センターバックからのパスを呼び込む。これにより中国代表の守備ブロックが崩壊した。

迎えた後半7分、中国代表のセントラルMFリー・ユェンイーの斜め後ろに立っていた南野が、センターバック町田からの縦パスを受ける。ここから日本代表のサイド攻撃が始まると、左ウイングバック三笘とのパス交換で敵陣ペナルティエリアへ侵入した南野がゴールを挙げた。

後半13分には町田から最前線の上田へ縦パスが送られ、このこぼれ球を拾った南野がゴールゲット。この時点で試合の趨勢が決した。


伊東純也 写真:Getty Images

アジア杯離脱の伊東純也も躍動

今年1月から2月に開催されたAFCアジアカップ期間中に性加害疑惑が報じられ、同大会からの離脱を余儀なくされたMF伊東純也が、後半18分に投入される。アジアカップを最後に代表招集が見送られていた同選手を、約5万人の観衆が万雷の拍手で迎えた。

温かい拍手で迎えられた伊東は、ゴールという最高の結果でファンの期待に応える。後半32分、同選手が久保の横パスを受けた後にペナルティエリア内でシュートを放つと、これが相手選手に当たってゴールマウスへ吸い込まれた。

後半42分には右ウイングバック伊東が同サイドから鋭いクロスを繰り出し、途中出場のFW前田大然(左ウイングバック)のゴールをアシスト。アディショナルタイムにも伊東の横パスを受けた久保が強烈なシュートを突き刺し、大勝劇に花を添えている。攻守両面において隙が無かった日本代表が、W杯アジア最終予選で最高のスタートを切った。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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