シント=トロイデンVV(STVV)はDF谷口彰悟など複数選手を獲得も、ベルギー1部リーグ開幕から3連敗。今季開幕前からパリ五輪U23日本代表招集により、GK小久保玲央ブライアン、MF藤田譲瑠チマ、MF山本理仁を欠いていただけに、クリスティアン・ラタンツィオ新監督は自身の解任報道に不満を抱いているようだ。
STVVは今年夏の移籍ウィンドウで、GK鈴木彩艶をパルマへ完全移籍により放出すると、ベンフィカから小久保を獲得。しかし得点力不足解消が求められる中、FW細谷真大(柏レイソル)の獲得に動く可能性も取りざたされたが、16日時点で実現せず。プレシーズントレーニングで一度も全選手が揃わず、そのままシーズンに突入すると、3試合で11失点と守備が崩壊。新戦力の谷口は早くも守備面で不安定なパフォーマンスを露呈している。
それだけに、現地では早くもラタンツィオ監督解任報道が過熱。ベルギー紙『HBVL』によると、指揮官は今月17日のベルギー1部リーグ第4節を前に、記者会見で「(開幕からの成績不振で)プレッシャーに晒されていることは承知している。特に私に関してはそのような状況にあるが、我々は前を向いている」と語った上で、「もっと時間が必要であり、やや不公平だ」と不満を覗かせたという。
一方、前線で新戦力の獲得がないことについては「移籍に関しては、これ以上何も言わない。クラブ内で十分話し合ってきたし、ファン・サポーターからの批判も理解できる」と、立石敬之CEO(最高経営責任者)をはじめ日本人幹部に批判の矛先を向けることはなかった。
ベルギーメディア『Voetbal』によると、STVVは鈴木の放出等で1900万ユーロ(約30億6000万円)の収入を確保した一方、ここまで新戦力獲得に費やした金額は100万ユーロ(約1億6000万円)未満。記事では「STVVのファン・サポーターには、2名のアタッカーを獲得する方針が伝えられた」と綴られている。
なおラタンツィオ監督は、前節のロイヤル・アントワープ戦でGKジョー・コッペンズをスタメン起用し、小久保をベンチに。パリ五輪で活躍した日本代表守護神について、指揮官は「彼はこのクラブにやって来たばかりだし、私服姿しか見ていない」と語っている。
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