優勢のなか生まれた2得点
長谷川がセンターサークル付近でボールを保持した前半22分、タッチライン際に北川、その内側にFW植木理子が立っていたため、ナイジェリア最終ラインとしてはパスコースの予測が難しい状況となる。撤退守備しか術がないナイジェリアを尻目に長谷川が植木への縦パスを成功させると、ペナルティエリア左隅へ侵入した後者が同エリア中央へラストパスを送る。このボールにゴール前へ飛び込んだFW浜野まいかが合わせ、なでしこジャパンに先制ゴールをもたらした。
前半31分には、センターバック高橋から相手最終ラインと中盤の間に立っていた田中にパスが繋がる。同じく相手最終ラインと中盤の間に立っていた守屋が田中のワンタッチパスを受けると、右サイドからゴール前へクロスボールを供給。これに反応した植木のヘディングシュートはクロスバーに阻まれるも、こぼれ球を田中が押し込み、今大会初ゴールを挙げた(得点は前半32分)。
なでしこを救った北川の芸術的FK
前半42分、味方のサイドチェンジのボールを捌こうとしたDF石川のパスが不正確になり、同選手のパスミスからナイジェリアの速攻が始まる。ペナルティエリア手前で細かいパス回しを浴びると、エチェギニのミドルシュートがゴールネットに突き刺さり、なでしこジャパンは1点差に詰め寄られた。
グループステージ突破に向け負けが許されないなでしこジャパンに暗雲が漂ったものの、北川がこの悪い流れを払拭する。迎えた前半アディショナルタイム、なでしこジャパンが敵陣ペナルティアーク手前でフリーキックを得ると、キッカーを務めたのが左利きの北川。カーブを描いた左足シュートが右のサイドネットあたりに突き刺さり、なでしこジャパンのリードが再び2点に広がった。
守屋と北川の躍動で攻撃のリズムを掴んだなでしこジャパンが、前半に訪れたチャンスを逃さず。パリ五輪3試合目にして、ゲーム運びに安定感が増してきた。
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