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【ユーロ2024総括】大会成績、個人賞、最も熱かった試合から珍プレーまで

スペイン代表 写真:Getty Images

最強のチーム:スペイン

スペインは爆発的な攻撃力を誇り、能力の高い個々の選手が華麗なパスワークで一つのチームになった。また、負傷したMFペドリ(バルセロナ)が夏の休暇に行くこともできたにもかかわらず、左膝にプロテクターをつけて代表チームに留まってスタジアムで優勝を見届けたことがチームの団結力も示していた。


ロドリ 写真:Getty Images

個人賞&記録:優勝したスペインから多く選出

大会最優秀選手賞:ロドリ(スペイン)

大会最優秀選手賞(プレーヤー・オブ・ザ・トーナメント)にはMFロドリ(マンチェスター・シティ)が選ばれた。521分プレーし439本のパスを出し、そのうち411本を成功させた。スペインの強さの原動力は中盤の構成力だが、ピボーテとして攻守においてチームの軸になった。

最優秀若手選手賞:ラミン・ヤマル(スペイン)

最優秀若手選手賞(ヤング・プレーヤー・オブ・ザ・トーナメント)に選出されたFWラミン・ヤマル(バルセロナ)は、16歳338日でユーロの史上最年少出場記録を大幅に更新し、史上最年少アシスト(16歳338日)と史上最年少得点(16歳362日)も樹立した。

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大会得点王:ダニ・オルモ(スペイン)

FWダニ・オルモ(ライプツィヒ)が3得点(2アシスト)で大会得点王に輝いた。スペインは史上最多の15得点を叩き出したが、得点者は史上最多の10人にものぼる。どこからでも得点できるチームだった。

クリスティアーノ・ロナウド 写真:Getty Images

史上最多出場記録:クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)

史上最多となる6大会出場を果たしたFWクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)は、多くの得点チャンスがありながら、無得点のまま大会をあとにした。本人もこれが最後のユーロだと悟っていることだろう。

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最年長出場記録:ペペ(ポルトガル)

ポルトガル代表DFペペ(ポルト)は、準々決勝フランス戦で41歳130日となり、ユーロの最年長出場記録を更新した。

PK戦最多セーブ:ディオゴ・コスタ(ポルトガル)

ポルトガルのGKディオゴ・コスタ(ポルト)は、ラウンド16対スロベニアのPK戦で史上初となる3本連続でPKを止めてポルトガルの8強進出を手繰り寄せた。スロベニアは史上初めて全てのPK(3本)を失敗して敗退した。

最年長得点記録:ルカ・モドリッチ(クロアチア)

クロアチア代表MFルカ・モドリッチ(レアル・マドリード)は、イタリア戦で38歳289日で得点し、最年長得点記録を更新した。

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ルイス・デ・ラ・フエンテ監督 写真:Getty Images

珍プレー:イングランドのウォーカーがスペイン監督に場外タックル

イングランド対スペインの決勝戦で、イングランドのDFカイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ)がスライディングタックルすると、そのままタッチラインを割っても勢いがとまらずスペインのルイス・デ・ラ・フエンテ監督と激突。とっさに右足を上げたが軸足を残したままで、ウォーカーの足の裏が監督にヒットした。しかし、監督がビクともしないなか、逆にタックルしたウォーカーはすぐに立ち上がれず、足を痛めたのではと危惧された。

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名前Takuya Nagata
趣味:世界探訪、社会開発、モノづくり
好きなチーム:空想のチームや新種のスポーツが頭の中を駆け巡る。世界初のコンペティティブな混合フットボールPropulsive Football(PROBALL)を発表。

若干14歳で監督デビュー。ブラジルCFZ do Rioに留学し、日本有数のクラブの一員として欧州遠征。イングランドの大学の選手兼監督やスペインクラブのコーチ等を歴任。アカデミックな本から小説まで執筆するサッカー作家。必殺技は“捨て身”のカニばさみタックルで、ついたあだ名が「ナガタックル」。2010年W杯に向けて前線からのプレスを完成させようとしていた日本代表に対して「守備を厚くすべき」と論陣を張る。南アでフタを開けると岡田ジャパンは本職がMFの本田圭佑をワントップにすげて守りを固める戦術の大転換でベスト16に進出し、予言が的中。

宇宙カルチャー&エンターテインメント『The Space-Timer 0』、アートナレッジハブ『The Minimalist』等を企画。ラグビーもプレーし広くフットボールを比較研究。

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