かつてヴィッセル神戸に在籍していた元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタは、今年6月をもってUAE2部降格エミレーツ・クラブとの契約が満了。去就不透明である中、現役続行の可能性を示唆したほか、移籍先の条件にも言及している。
同選手は昨年7月に神戸を退団してエミレーツへ加入。2023/24シーズンのUAE1部リーグで20試合に出場し、5ゴール1アシストをマークした。ただチームは序盤から下位に低迷すると、昨年12月にリュイス・プラナグマ監督(元FC今治監督、元神戸コーチ)を解任。監督交代後も浮上のきっかけをつかめず、1部残留圏の12位ホール・ファカン・クラブから勝ち点6差の13位で終えている。
また、同クラブのユセフ・アルバトラン会長は今年5月、中東メディア『アル・カヘラ』の番組出演時に「彼のような偉大な選手にとって、2部でのプレーを受け入れることはできない。監督就任を打診するつもりだ」と語るなど、退団の可能性を認めていた。
スペイン紙『ムンド・デポルティーボ』で今月5日に掲載されたインタビュー記事によると、イニエスタ本人は自身の主催イベント「イニエスタ・カップ」で「最近調子が良くて、まだプレーしたいという気持ちがある。もし疲れていたら、間違いなく引退しようと思うけど、今はそうではない」と、現役続行への意欲を覗かせたとのこと。エミレーツ残留の可能性や移籍先候補について、以下のようなコメントを残したという。
「今はエミレーツの計画がどうなっているのか、方向性が決まるのを待っているところだ。2,3週間後には魅力的なオファーがあるのか、将来について再検討する必要があるのか分かるだろう。もしサウジアラビア移籍という選択肢があるなら、面白いかもしれないけど、残された時間をサッカーで楽しむためには、条件が整わなければならない。僕はすでにUAEでかなりサポートを受けているし、新しい冒険を急いでいるわけではない」
イニエスタには神戸退団後、FWリオネル・メッシ擁するインテル・マイアミ移籍の可能性が報じられていた。本人はMLS(アメリカ・メジャーリーグサッカー)へ挑戦しなかった理由について、「日本を離れた時、僕の将来はアメリカではないと分かっていた。とても広くて、移動距離が長い。僕はもう若くないし、長距離移動で僕の身体に負担がかかる」と説明。コンディションを考慮した上での決断だったことを明かしている。
なおイタリアメディア『Dot Sport』は今年5月30日、セリエA昇格組コモ・カルチョがイニエスタ獲得オファーを提示した可能性があると報道。バルセロナ時代のチームメイトであるセスク・ファブレガスがコモのアシスタントコーチを務めているだけに、「ピッチ上での時間も大切だが、何よりもセスクをピッチ外やロッカールームで助けることが期待される」とファブレガスのサポート役として期待されているが、イニエスタ本人のコメントを踏まえると、現時点ではセリエA移籍に向っていないとみられる。
コメントランキング